2022年10月4日
SBSラジオ IPPO

本に関する大型イベント!『「ブックフェスタしずおか」~本が人とまちをつなぐ31日間~』

10月1日から31日まで『「ブックフェスタしずおか」~本が人とまちをつなぐ31日間~』(以下、「ブックフェスタしずおか」)という、「本」の大型イベントが開催されます。どんなイベントなのか、企画・運営を担当している「みんなの図書館さんかく」(以下、「さんかく」)の館長の土肥潤也さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※9月27日にSBSラジオ「IPPO」で放送したものを編集しています

牧野:まず、土肥さんのプロフィールを紹介させていただきます。静岡県焼津市出身の現在27歳。早稲田大学大学院を卒業後、2015年に「NPO法人わかもののまち」を設立。2020年に、まちづくりコーディネート団体の一般社団法人トリナスを共同創業、現在は代表理事を務めていらっしゃいます。焼津駅前通り商店街の空き店舗を利用し、完全民営の私設図書館「みんなの図書館さんかく」を開館。これが全国に広がり話題になっています。

あらためて「さんかく」について教えていただけますか?

土肥:僕らの図書館は、一箱本棚オーナー制度という仕組みを導入しています。棚一箱一箱にいろんなオーナーさんがいて、自分の好きな本を置くことができます。一箱月2000円で貸し出していて、その2000円の本棚オーナー料で家賃や水道光熱費などの運営費を賄う仕組みで、まさにいろんな人が参加・参画(さんかく)して作る図書館です。

牧野:みんなで支えている図書館で、そこがコミュニティーにもなっているんですね。そういったことをやっていらっしゃる土肥さんが今回「ブックフェスタしずおか」というイベントを開催されます。どのようなイベントか教えてください。

土肥:「静岡県立中央図書館」と「静岡県書店商業組合」と「さんかく」の3者が連携して、読書の秋と言われる秋の期間に、本で静岡を盛り上げようと企画したものです。10月1日から31日までの1カ月間を「ブックフェスタ」として定めて、静岡県の東部・中部・西部で私たちが主催のイベントを開催します。また静岡県内あちこちで本に関するイベントを企画している人たちに「10月にイベントを集中的にやってください」と呼び掛けて、1カ月の間に50件くらいのイベントが開催される予定です。

牧野:本というと自分の世界に浸ってひとりで楽しむイメージがあったのですが、本を通してみんなでつながるというものなんですね。

土肥:いろんな人がつながることを大切にしています。本を読むこと自体は自分と向き合う行為で、人とつながる行為ではないと思います。しかし本を通じて得た知識や感じたことをいろんな人とシェアすることによって、人とつながることができる可能性があるのではないかと思っています。

牧野:10月22日にグランシップ(静岡市駿河区)で開催されるメインイベントにむけて、どんな準備をしているんですか?

土肥:このイベント自体は、「世界お茶まつり」と同時開催になっています。グランシップの中ホールを貸し切って、本の未来を作っているゲストを迎えてトークセッションを行ないます。また外の芝生広場では、ブックマルシェということで本に関わるさまざまな出店があります。

牧野:なかなかこういうイベントは全国を見てもないんじゃないですか?

土肥:全国的にも注目してもらっていて、すでにお申し込みが北海道などからもあり、全国からお越しいただけるようなイベントになっています。 

牧野:さらに、グランシップだけでなく静岡県の東部、中部、西部でそれぞれイベントが開催されるんですよね?

土肥:そうですね。静岡県は横に長く、僕らは中部の団体なので東部や西部とのつながりが薄くなってしまう部分があります。東部・中部・西部が連携できるように、それぞれの場所で本に関する活動をしている方、例えば掛川で走る本屋さんをされている高久書店の高木久直さんに沼津で講演会をしていただいたり、いろんな企画をやっています。

牧野:土肥さんが、こうやって本に目をつけられたきっかけは何ですか?

土肥:僕自身、大学院に行っていた時、たくさんの本を読む機会がありました。「さんかく」を始めた時は、自宅の本棚があふれてどうしようということで「図書館を作っちゃえばいいや」という感じだったんです(笑)。ただ、図書館を実際に作ってみたら想像以上にいろんな人たちがつながったり、コミュニケーションが生まれるのを見てきて、本にはすごい可能性があるなと感じました。そんな時に静岡県立中央図書館さんから何か一緒にできませんかとお声掛けいただき、ブックフェスタを企画しようと相談しました。書店さんにもお声掛けしたら「ぜひやりたい」とのことで、私設図書館・書店・公共図書館の3者の連携が全国的にも珍しい連携になっていて、それで注目されているというのはあります。

牧野:図書館がそういう意識を持っていることを知ってすごく嬉しかったですね。

土肥:ちょうどグランシップの横に駐車場があると思うのですが、2026年頃にそこへ図書館が移転するという話もあるようなので、図書館的にも県内で機運を高めていきたいタイミングだったのかと思います。

牧野:「ブックフェスタしずおか」ではいろいろな県内のイベントと連携されていて、ホームページを見て数えただけでも50以上のイベントが掲載されていますね!

土肥:「ブックフェスタしずおか」をやると言ったら、いろんな方々がこの期間に合わせてイベントを企画したいと言ってくださいました。それが嬉しかったですし、それだけみなさん本に関わるような企画をしたいこともあったのかなと思います。

牧野:思いを持っている人は各地にいて、ただ形や仕方をどうしようかなと思っている中で、土肥さんが手をあげたらみんながわっと芽生えだしたようにも見えるんですけどね。

土肥:そういう側面もあったのではないかと思います。一歩踏み出したい人は沢山いるのですが、それが「ブックフェスタしずおか」という企画によって、背中を押せたというのは僕らにとっても嬉しいことなだと思います。

牧野:最後にみなさんにメッセージをお願いします!

土肥:10月22日に「ブックフェスタしずおか」のメインイベントがあります。公式ホームページを見ていただき、県内各地で行われているイベントにも足を運んでいただければと思います。

牧野:ありがとうございました!

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