2024年11月8日
シズサカ編集部

<静岡県高校サッカー>9年ぶり4強の飛龍が静岡学園に挑む準決勝!エース丹羽咲人を支える2人の“黒子役”に注目



第103回全国高校サッカー選手権静岡県大会で、飛龍がプリンスリーグ所属の藤枝東を下して9年ぶりの4強入りを決めた。快進撃の立役者は何と言っても4試合で9得点4アシストのFW丹羽咲人(フェルボール愛知出身)だが、絶対的エースをもり立てる周囲の個性派にも注目だ。

飛龍の準決勝の相手は県3冠を狙う王者、静岡学園。今大会の台風の目となった飛龍は全国トップクラスのテクニシャンたちの波状攻撃に耐え、少ない好機をものにできるか。

MF片岡飛翔(つばさ、アスルクラロ沼津U-15出身)


最前線で躍動する丹羽をトップ下で支える。シンプルなプレーが徹底されているチームの中で、技巧派の香りを漂わせるのがこの11番だ。

相手DFを引き付けるFW丹羽から離れるようにしてフリーでボールを受けたり、丹羽に近づいてこぼれ球を拾ったりしながら、チームの攻撃を組み立てる。今大会初戦の富士見戦では2得点2アシスト。ゴールに直結するプレーが光った。

長泉町出身。小学4年時にアスルクラロ沼津のジュニアチームに入って本格的にサッカーを始めた。2つ上の兄の背中を追って飛龍に入り、2年時の新人戦からサイドハーフの定位置を奪取した。

静岡学園との準決勝では、最終ラインから丹羽へと送られたロングボールのこぼれ球をいかに回収するかがポイントになりそう。

「咲人(丹羽)のマークはきつくなると思うので、どれだけ自分がサポートできるか。ボールを奪っても学園相手では繋ぐのは難しいので、前線に難しいボールがボンボン入ってくると思う。そこで、自分と咲人がどれだけキープできるか」

昨年5月の県高校総体準決勝で静岡学園に2−3で惜敗した悔しさを、片岡は忘れていない。「次はつなぎ役だけでなく、自分も点を取りにいかなければ駄目だと思う。絶対に勝って全国に行きたい」

王者を撃破することができれば、2019年度の富士市立以来、東部勢としては2度目のファイナル進出となる。

DF高原伸ノ介(横浜・KAZUサッカークラブ出身)


準々決勝の藤枝東戦。2点のビハインドをはね返して見事な番狂わせを演じたチームの中心にいたのが、この“ロングスロー職人”だ。

前半5分、右サイドの奥深くでボールがタッチラインを割ると、左サイドバックの高原がわざわざ右サイドへ。思いきり体をそらせて放り投げたボールはゴール前で待ち構えていたエース丹羽の頭にピタリと届き、最後はDF秋山稜瑛(セパラーダ出身)が押し込んだ。

その後も、ボールがタッチラインを出ると、チームは迷うことなくロングスローを選択。高原が思い切りよく敵陣深くにボールを投げ込み、ラグビーのように陣地を回復させて相手を押し込んだ。

「ハーフラインを越えたら、とにかく投げろと言われていたので、どんどん投げさせてもらいました。大会が始まる前はニアポストぐらいまでしか届かなかったのに、今日はファーポストまで届いた。トレーナーと一緒に工夫して練習してきて、何とか間に合わせることができてよかったです」。高原はこの日が大会初先発。いわば“隠し玉”だった。

身長170センチと決して恵まれたフィジカルを持つわけではないが、どうして飛距離を出すことができるのか。本人によると、胸の使い方にコツがあるという。「胸を大きく突き出したり、縮ませたりする動きをとにかくやってきました」。両腕の柔軟性もポイントという。「やりすぎると肩や背中に負担が掛かってしまうけれど、最近は毎日練習していました」。

初の決勝進出が懸かった静岡学園との大一番で、“飛び道具”は再び真価を発揮できるか。「いつも通り、自分の良さの気合と元気を出していきたい。相手は格上だけど、ロングスローで勝つことができれば」

飛龍 菊川達也監督の話


「僕らの戦い方ははっきりしている。僕らがやれないところで勝負したところで、勝てない。相手の裏をかこうとしてもできない。この戦い方しかできない代とも言えるが、この戦い方ができる代とも言える。この戦い方が、この子たちの一番いいところを引き出せる。準決勝も年間を通してやってきたことをやりたい。

静岡学園はめちゃくちゃ強い。ランクが違う。でも、最高の舞台でやれる。昨年総体も準決勝で静岡学園に負けているのでリベンジの気持ちで。勝っても負けても自分たちが納得できるように『ベストゲーム』を更新したい」

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