2025年9月13日

<大学野球>東都・秋季リーグ戦 9月16日開幕 1部復帰の駒大・永野陽大(日大三島高出) 「チームが勝つための1打を」

(駒大硬式野球部提供)
当たり前のことを当たり前に
駒大は2部で戦った今春、リーグ戦終盤から専大との優勝決定戦、日大との1、2部入れ替え戦(2試合)を8連勝して1部復帰を決めた。主に7番一塁で先発出場した永野選手は、入れ替え戦では8打数6安打3打点と大活躍。
「終盤はキツかったけれど、粘れた試合が多かった。チームとして2月から徹底してきた、全力疾走だったり当たり前のことを当たり前にやってきたことの結果が出たと思う」と振り返る。

(駒大硬式野球部提供)
中学、高校で全国経験
静岡市立竜爪中時代に西奈中との合同チームでエースとして、全日本少年春季軟式野球大会4強入り。日大三島高では主に内野手。1年秋の東海大会で初めてスタメン入りし、2年春から不動のレギュラーになり、2022年春、夏2季連続の甲子園出場に貢献した。
173センチ、86キロと体格に恵まれているわけではないが、勝負強さが持ち味で舞台が大きくなるほど力を発揮する。
高2で出場した夏の甲子園では適時三塁打を放ち、主将を任された最終学年の静岡大会は打率6割5分の結果を残した。

常に自分に厳しく、ストイックに追い込む姿勢は誰もが認めるところ。進学先に駒大を選択し、4年後のプロ入りを宣言。小園海斗内野手(広島)ら多数のプロ選手を教え子に持つ日大三島の永田裕治監督も「あいつならやれるかも知れんな」と期待を寄せた。

1年春にリーグ戦デビュー
恩師の期待通り、大学1年春に1部リーグ戦デビューを果たした。亜大との第4節からベンチ入り。国学院大との第5節でスタメン出場し、2戦目で3安打3打点、初本塁打を放つなど華々しいスタートを切った。
「(1年春から)ベンチに入れるとは正直、思ってなくて、1年秋から勝負かなと思っていました」。リーグ戦期間中の紅白戦で結果を残し、2024年春に就任したばかりの香田誉士史監督の目に留まり、ベンチ入りメンバーに抜てきされた。
青学大との対戦、心待ち
1年秋まで二、三塁、今春は一塁を経験。「試合に出られるならどこでもいい」と内野のスタメン争いに食らいつく。1部復帰が決まり、中でもリーグ5連覇中の青学大との対戦を心待ちにする。「1部に戻れるのはすごく大きい。プロですぐ使われるような選手ばかり。そういう人と対戦できるのは幸せなこと」以前は「練習をやっていればどうにかなる」と追い込むことに主眼を置いてきたが、大学ではがむしゃらに練習するだけでは「どうにかならないことが多い」。1、2年で公式戦経験を積んだことで、課題も見えてきた。
「どうすれば1部で打てるのか、考えながら練習に取り組むようになった。真っすぐが強いピッチャーが多いので、まずはそれに振りまけない体をつくっている」

チームが勝つための1本
大学入学前に掲げていた目標は4年間で100安打。「(達成は)厳しいけれど、あと5シーズンあるので諦めたくない気持ちはあります。ただ、自分の記録よりチームが勝つための1本を打てるならそれが一番」
記録より記憶に残る一打に懸ける。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)
<取材後記>
永野選手には今夏の全国高校野球選手権静岡大会を戦う母校、日大三島高の試合が行われたあしたか球場で、お話を聞かせていただきました。後輩の試合を見ながら「時々戻りたくなりますね」と負けたら終わりの緊張感を懐かしく感じている様子でした。ただ、これから始まる東都1部のリーグ戦も1勝の重みのある戦いです。開幕を直前に控え「順調に来ていると思います」とのこと。
永野選手にとって「一番の励みになっている」という清水桜が丘高2年、弟の泰大(だい)選手が臨む、秋季静岡県大会も9月14日から始まります。
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