2025年11月6日
しずおかBallpark通信

​<プロ野球>ソフトバンク・ドラフト3位 大商大・鈴木豪太(東海大翔洋高出)高校で投手に転向 元プロの恩師が見抜いた素質

プロ野球ドラフト会議でソフトバンクに3位で指名された大商大の鈴木豪太投手(22)=東海大翔洋高出=が11月1日、静岡市清水区の母校グラウンドを訪れた。在学時の監督で、今は東海大相模高を指揮する原俊介監督が、翔洋高との練習試合のため同校グラウンドを訪れていて、恩師とも喜びを分かち合った。

原監督(右)と東海大翔洋の垂水啓友部長(左)から祝福を受ける鈴木投手

「原先生にいっぱい怒られたことを思い出します。こういう姿で戻ってこられて、後輩たちにも刺激になるのかな」と晴れやかな表情を見せた。

捕手から投手へ

滋賀県長浜市出身の鈴木投手。
中学時代は軟式だったため、東海大翔洋中と交流があり、顔見知りだった翔洋中メンバーと高校でチームメートになる選択をした。
捕手として入部した鈴木投手。投手としての適正を見出したのが原監督だった。

「ピッチャーもやったことあります、と言うんでやらせてみたんです。球持ちが良くてけっこういいボールを投げるなと。キャッチャーで入ってきたはずなのに、キャッチャーで出した記憶がない。だからピッチャーとしてデビューしてるんですよね。肩周り、股関節が柔らかくて投手としての身体的な優位性があった。連投が効く、気持ちが強い 。たくさん練習できてけがしない素質を持っているんですよ」

「翔洋に来てなかったら…」

鈴木投手は「翔洋に来てなかったら、ピッチャーをやることはなかったと思います」と転機を振り返る。当初からプロ志望だったわけではない。
「高校で進路を決める時に、大学では野球はやらないって原先生に言ったんです。あまり伸びてなかったからですかね。そうしたら『お前がやらなくてどうするんだ』と言ってもらいました。それで中途半端なこと言っていたらあかんなと思いました」

〝鉄腕〟の異名

高3の春に140㌔をマーク。最後の夏の静岡大会は1回戦から決勝まで全7試合52回を投げてわずか6失点。決勝で高須大雅投手(明大)を擁する静岡に敗れ、準優勝に終わったものの、心身ともにタフな鉄腕として鮮烈な印象を残した。

プロ入りした先輩が刺激に

卒業後は大商大に進学。「自分の生きる道」を求めて1年の5月にサイドスローに転向し、最速を147㌔まで伸ばした。「最初は大学に行ってもプロになれるとは思っていなかったんです。ただ、プロに行かれる先輩たちがいて、こうしたらなれるんやなというのを身近で見られたのが大きかった」。阪神の伊原陸人投手、西武の上田大河投手、広島の高太一投手らに刺激を受け、プロへと気持ちが傾いていった。

「一瞬」に備える

常に心に留めてきたのは準備の大切さ。
「一瞬でいい方にも悪い方にも変わってしまうので、何事にも万全に準備しないと結果にはならない。大学でもいつ出番があるか分からなかったけれど、ずっと準備は怠らずにやってきました」

試練乗り越えて

エースとして臨んだ今春の関西六大学リーグでは、最終節に2試合連続で完投するなどフル回転の活躍で7連覇に貢献した。
ところが、野球部内の不祥事を受けて、全日本大学選手権は出場辞退。さらに、大学日本代表合宿への参加も自粛という不運に見舞われた。「ショックでしたね」
秋のリーグ戦は右肩のコンディション不良で登板できず、試練は続いたが、最後に喜びの瞬間が待っていた。

プロを知る恩師の助言

元巨人の捕手としてプレーし、プロの厳しさを知る原監督は自らの経験も踏まえながらこう助言する。
「結果がすべての世界。大学生は即戦力として最初にチャンスをもらう。そこから結果を出し続ける野心と計画性を持って臨むこと。それに、アマチュアでは謙虚さが大事だけれど、プロは人がいいだけじゃうまく渡り歩けない。ある意味強い自分を出して、応援してもらえるキャラクターをつくること」

175㌢、84㌔とプロ選手としては小柄だが、その名の通り「豪」快なピッチングでアピールする。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)

<取材こぼれ話>
この日、鈴木投手の父章二さん、母みどりさんも翔洋高グラウンドにあいさつに訪れていました。みどりさんは鈴木投手の高校時代、毎週末に車で片道4時間をかけて滋賀から静岡に〝遠征〟していたそうです。章二さんは「普段はおっとりしていて、野球になると変わるんですよ 。ピッチャーをやらせてもらい、原先生のおかげで今がある」と巡り合わせに感謝していました。

静岡県に関係する野球の話題を中心に、プロから社会人、大学、高校、中学まで幅広く取り上げます。新聞記事とは異なる切り口で、こぼれ話も織り交ぜながらお届けします。時々バレーボールの話題も提供します。最新情報は X(旧Twitter)「しずおか×スポーツ」で。

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