
静岡市が2台目のトイレカー導入 災害関連死を防ぐための衛生管理とプライバシーの確保へ【わたしの防災】

大規模災害の発生時、被災者にトイレを安心して利用してもらおうと、静岡市は「トイレカー」を新たに配備しました。
トイレのプライバシーを確保し、体調不良やストレスによる災害関連死を防ぐ狙いです。
子どもから高齢者まで安心 多目的トイレやおむつ交換台も
2026年3月上旬、静岡市に配備された災害時用の新たなトイレカー。2025年5月の1台目に続き2台目の導入です。
階段を上がるとトイレがあり、子どもからお年寄りまで安心な洋式の便座を採用しています。1台当たりで1000回分をきれいに処理できます。
車両の後部には多目的トイレを設けています。足の不自由な高齢者や車いすの利用者を想定して広い空間を確保したほか、子育て世代向けにおむつ交換台を備えています。
見学した女性からは「すごい綺麗でした」と声が上がりました。
男女の視線を分ける新設計 1台目の課題を改善

1台目と2台目のトイレカー、大きな違いは入り口の向きです。
<静岡市危機管理課 高山雅史主査>
「1台目には同じ面に入口がありまして、男性用、女性用でどうしても視線が気になるという声がありました。2台目はその課題を解決するため、車両の左右に入り口を分けて、視線が交差しないように改善しました」
国も男女のトイレの入り口を分けることを推奨していて、災害時のトイレ控えを改善することが期待されています。
開発の背景に社長自らの被災体験と能登での支援

静岡市のトイレカー2台を開発、製造した会社です。
<ファンフォート 小池敬太郎さん>
「こちらが一般的なキャンピング仕様です。中に入っていただくと、対面式のソファーテーブル、奥にクイーンサイズのベッド、キッチンカウンターがあって、こちらはサニタリールームという風にしていて、シャワー室やトイレに使えるようになっています」
キャンピングカーの製造で培ったノウハウをトイレカーづくりに役立てています。その背景には、社長自らの被災体験があります。
<ファンフォート 加藤守社長>
「実は2022年の線状降水帯にうちの会社がのまれて、その10日後、漏電から会社が全焼するといった災害を経験している」
2022年の台風15号に伴う記録的な大雨では静岡市の各地が浸水し、社長の会社周辺も大きな被害を受けました。加藤社長は能登半島地震の被災者支援の経験もトイレカーの製造に生かしています。
<ファンフォート 加藤社長>
「(避難所の)体育館にたくさんの人が集まるという中で、衛生管理にものすごく大変に苦労されたようです。このご時世、簡易型のトイレ、防災用トイレもあるが、やっぱり、きれいなトイレで用を足せるのがメンタル的な部分にも非常にいいかと思う」
南海トラフ地震に備え 避難所の生活環境向上へ
南海トラフ巨大地震に備え、静岡市は避難所の衛生管理に力を入れる方針です。
<静岡市危機管理課 高山主査>
「能登半島地震では、避難所のトイレの衛生環境の悪化から、避難者の体調不良につながり、最終的には災害関連死といった大きな課題が明らかになりました。静岡市では、災害時における避難所のトイレ環境を改善するため、水洗式で移動できるトイレカーを導入しました」
トイレカーの汚水については汲み取りの設備や、下水道へ流す配管を使って処理することができます。
<静岡市危機管理課 高山主査>
「避難者の方がより安全に避難生活を送れるよう、静岡市も避難所の生活環境の向上に努めていきたい」
静岡市は2026年度、トイレカーをもう1台導入して合わせて3台の体制にします。市外や県外で大規模災害が発生した場合は被災地に派遣する方針です。
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