2026年3月23日

静岡横断!三嶋大社(三島)、久能山東照宮(静岡)、小國神社(森町)、花見の季節に“桜自慢”の三社を巡る
桜に誘われ、春の参拝へ

四季折々の表情を見せる神社仏閣ですが、なかでも私が最も心惹かれる季節は春。 その理由は、何よりも桜に出会えるからです。
古来、日本人は桜に特別な想いを寄せ、数多の歌を詠んできました。薄桃色の花びらが境内を優しく包み込み、見上げれば淡い青空との鮮やかなコントラストが広がる。その色彩や、春の柔らかな風に心を奪われるのは、今も昔も変わりません。
今回は、静岡県を東から三嶋大社、中部の久能山東照宮、西部の小國神社へと横断しながら、私が心から愛してやまない「お気に入りの桜風景」をご紹介します。この季節、この場所でしか出会えない桜を求めて足を運んでみませんか。
1. 三嶋大社 ―― 参道を彩る、昼と夜の二つの顔

伊豆国一の宮として崇敬を集める三嶋大社。こちらの見どころは、なんといっても参道の両脇から力広く枝を広げ、参拝客を出迎えてくれるソメイヨシノとしだれ桜の並木です。
青空の下、両側の池にその淡いピンク色を映し出し、水面までもが春色に染まる光景は圧巻の一言。しかし私のイチオシは、ライトアップされた夜のひとときです。

夜の静けさの中、ぼんぼりの柔らかな光に照らし出された桜は、昼間とは一変して幻想的な表情を見せます。

光と影が織りなす幽玄な美しさを愛でる時間は、まさに至福。昼と夜、それぞれに異なる「桜の顔」に出会えることが、三嶋大社ならではの大きな魅力です。
3月22日のしだれ桜
3月22日現在、参道のしだれ桜は3分咲き、ソメイヨシノは1分咲きほど。見頃は4月上旬までと予想されます。現在、夜間のライトアップ(18〜21時)も開催中。開花状況に合わせ、4月上旬まで行われる予定です。2. 久能山東照宮 ―― 豪華絢爛な社殿と桜

徳川家康公が祀られる久能山東照宮。1159段の石段を登り切り、目の前に現れるのは、絵画の世界から抜け出してきたかのような非現実的なまでの美しさです。
最大の魅力は、国宝に指定されている豪華絢爛な御社殿と、咲き誇る桜が織りなす「芸術的」な調和。特に、社殿の正面で優美に枝を垂らすしだれ桜は、この時期にしか出会えない特別な風景です。
3月22日のしだれ桜
透かし彫りや鮮やかな彩色が施された建造物と、淡い桜色の共演。 御社殿前の咲き誇るしだれ桜を眺めていると、家康公もこの景色を一緒に「見事!」と愛でておられるのではと思ってしまうほどこの景色に魅了されてしまいます。平和だからこそ、この春を存分に喜べるのだと思える桜です。3月22日の八重桜
しだれ桜はまもなく満開を迎え、3月末までが見頃。楼門近くの八重桜は4月上旬頃に咲き揃う予想です。また、久能山東照宮博物館では5月17日まで、もう一つの国宝「太刀 銘 真恒(さねつね)」を展示中。平安時代に作られた、全長約120cmを誇る久能山東照宮が所蔵する中で一番長く、一番古い名刀です。
3. 小國神社 ―― 森の静けさに包まれた桜

「遠州の小京都」と称される森町の小國神社。こちらの桜の魅力は、古くから大切に守られてきた深い森の木々や、歴史ある社殿の風景に、そっと馴染むような自然な佇まいにあります。

境内に一歩足を踏み入れれば、そこは現実を忘れさせるほどの静寂が広がります。背の高い木々に囲まれた長い参道の先に辿り着くのは、息をのむほど存在感を放ちながらも、周りの自然と静かに調和する桜の姿。まるでそこだけ時を止めてしまったかのような、この世ならぬ美しい情景が待っています。

4月5日まで開催されている「桜詣(さくらもうで)」期間中の週末には、尺八の奉納演奏、4月5日は筝曲演奏も行われます。3月23日現在つぼみの状態で、4月5日くらいまでが見頃と予想されています。
森の静けさに包まれ、和楽器の音色に耳を傾けながら、ゆっくりと桜を愛でる贅沢な日本の春を味わってみてはいかがでしょか。

桜を愛でた後は、ぜひ「ことまち横丁」でお団子を。 春限定のお団子と緑茶でお花見もできますよ。
同じ桜であっても、訪れる場所によって見せてくれる表情は三者三様で、神々が描き出した御業(みわざ)のようです。 どの桜も日常を忘れさせ、淡い春のひとときへと私たちをいざなってくれます。
はかない桜に思いを寄せる気持ちは、今も昔も変わりません。 このかけがえのない、一分一秒が千金にも勝るような春のひととき。 ぜひ、花が散る前に足を運んでみてはいかがでしょうか。世の中にたえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし (在原業平/『伊勢物語』)
静岡在住ライター大倉麻衣子が、おでかけ日和に行きたいグルメ、神社仏閣やアートスポットなどを中部エリア中心に紹介。地元ならではの“ツウ”な情報から旬の話題、季節のイベントまでたっぷりとお届けします。









