2023年9月3日

【静岡フィルハーモニー管弦楽団の特別演奏会】「心の安寧」届けたピアノ

ラフマニノフが20代後半に作った「ピアノ協奏曲第2番」。技巧を凝らした1901年の初演曲を、2004年生まれのモスクワ音楽院の〝後輩〟が奏でるという構図が興味深い。独特のテンポを持つエヴァさんの個性は、特に第2楽章「アダージョ・ソステヌート」できらめきを放った。一音一音を丁寧に置くような冒頭、一瞬の静寂後の鍵盤を幅広く使ったロマンティックな旋律、しっとりした余韻を残すエンディング。観客席にも「心の安寧」をもたらした。
静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。