2023年11月20日
静岡新聞出版部

愛のある悪口に賞金5万円!11月30日の締切迫る「悪口コンテスト」がユニークな作品大募集!

詩、短歌、俳句、川柳など何でもOK! 昨年は国内と海外から5800作以上がエントリー

みなさん、こんにちわ。静岡新聞社編集局出版部のマッサンこと、増田です。
本欄を通して、県内の出版業界に関する話題を中心に、旬な話題をこれから発信していきます。どうぞよろしくお願いします。

今回は、直木賞作家・村松友視(ともみ)さん=静岡市清水区出身=が審査委員長を務める島田市恒例「愛するあなたへの悪口コンテスト」(同実行委員会主催、静岡新聞社・静岡放送など後援)のお知らせです。

同コンテストは2023年度の今回で20回目を迎えます。
大賞に贈られる賞金はなんと5万円! 実行委員会は「毎年全国から多くの作品が寄せられます。愛情のこもったユニークな作品をお待ちしています!」と応募を呼びかけています。

ちなみに…昨年、第19回の大賞受賞作と審査委員長・村松さんの選評はこちら(↓)です。


 

審査を行う村松友視さん=左端=たち(過去のコンクール審査風景)

【村松友視さんの選評】
おとぎ話の「かちかち山」で、最後に泥の舟に乗せられ沈んでしまうのは悪役の狸なのだが、この作品における〝泥の舟〟は、単に〝浮くはずのない土で作った舟〟ととらえた方がよいだろう。

さらに、この作品で〝泥の舟〟にたとえられているのは、作者とその夫の、何度も沈没の危機に見舞われる切羽つまった生活のこと、よくぞ沈まないものだと思いつつ、なぜか二人をのせた泥舟はとりあえず泥が大波に溶けて沈むことなくここまでやってきた……という感慨をふくんでいる。

「こんな泥舟から下りちゃおうか」、同じ自問を何度もくり返しつつ、夫と共に泥舟にしがみついて生きたあげく、「泥舟って意外に浮くのね」と思いがふと湧いて、夫の漕ぐそんな泥舟での時間にも、何やら深い意味がありそうだ…という境地にいたっている妻。
今さら泥舟から下りるのも不憫だし、しばらくこの泥舟生活を楽しんでみようと、諦めとも覚悟とも、はたまた〝愛〟とも言える自分の心もようを、の上にのせてためつすがめつながめてから夫へ目を向け、まんざらわるい船頭でもなさそうだと惚れ直す気分がわいたりもする。

そんな妻の立場に立った一句を、図々しくも泥舟の漕ぎ手たるダンナが作者となってつくったという、実にどおもあきれ返った傑作でございます。

別名・悪口(風刺)稲荷と呼ばれる御陣屋稲荷神社に由来

「愛するあなたへの悪口コンテスト」は、別名・悪口稲荷と呼ばれている御陣屋稲荷神社(島田市柳町)に伝わる悪口(風刺)の慣行にならったイベントです。

御陣屋稲荷神社(島田市)

伝承などによると、御陣屋稲荷神社は元々「島田代官所」の屋敷神で、元和2年(1616)に代官・長谷川藤兵衛長親が徳川家康から屋敷を拝領し、島田宿に引き移った後も同宿を管理する陣屋に奉られたことから「御陣屋稲荷」と呼ばれました。

毎年3月、最初の「午の日」に行われる初午祭になると、普段は人の出入りを許されなかった社が開放され、人々が参詣することができました。
この日は陣屋内で土産物の販売も許したため大いににぎわい、町の数カ所では町の珍しい出来事を「風刺」した人形を作って飾り付け、参拝人の興を添えました。
稲荷神社のお稲荷様は、今も町の人々から「御陣屋(悪口)稲荷」として愛されています。
 

愛するあの人へ、愛のある悪口を
11月30日まで作品を大募集しています!

昨年の第19回には全国各地からに加え、海外からも応募があり全部で5828作品が寄せられました(最年少応募者は9歳。最高齢は90歳!)。

「甲乙つけがたい作品ばかりで、毎年激論の末に入賞作品を決定しています。言いたいことがなかなか言えない人、ケンカをして仲直りしたい人、その愛のある悪口を作品に込めて、お稲荷様に打ち明けてみませんか。きっとお稲荷様が縁を深めてくれます」(実行委員会)

地元島田市をはじめ、県内の各書店では第20回コンテストのポスターを掲示してイベントを盛り上げています。

焼津谷島屋登呂田店・鈴木店長


島田書店花みずき店・佐塚店長

「ことしは島田市生まれの永井紗耶子さんが『木挽町のあだ討ち』で直木賞を受賞するというビックニュースもありました。島田市を文学の街として盛り上げていきたいです」(島田書店花みずき店佐塚慎己店長)。

なお20回の節目を記念し、来年2024年の春には第1回~第20回までの優秀作品と村松友視さんの選評などを1冊にまとめた本を静岡新聞社から発売する予定です。
あなたの作品が本に掲載される貴重な機会です。ぜひふるってご応募ください。

第20回「愛するあなたへの悪口コンテスト」概要

あふれる想いを文字に託して、「本当は愛しているのについ言ってしまう悪口」「愛のこもった悪口の言葉」を大切なあの人に送ってみませんか?

◆作品の形式…50字以内(句読点含む)なら、詩、短歌、俳句、川柳など形式は問いません

◆各賞の賞金…大賞5万円、準大賞3万円(1点)、島田市長賞2万円(1点)、入賞1万円(4点)、島田賞1万円(1点:島田市在住者対象)、高校生審査員賞5千円(1点)、スクール大賞5千円分図書カード(1点:小中高校生対象)、スクール賞5千円分図書カード(4点:小中高校生対象)。

◆応募締切…2023年11月30日(木)※当日消印有効

◆入賞者発表…2024年2月16日(金) ※表彰式は2024年3月24日(日)に島田市のおび通り南ステージで行う予定です。

◆応募先・問い合わせ
「愛するあなたへの悪口コンテスト」実行委員会
(株)まちづくり島田 〒427-0022 静岡県島田市本通3丁目6-1 
電話0547(33)1550、FAX0547(33)1565
詳細は「まちづくり島田」のホームページ へ 
http://www.machi-shima.com/aiwaru.html                                    

本好きな人のために話題や情報をお届けします。県内のカリスマ書店員さんお薦めの本や、ブックカフェ・書店でのイベント情報、歴史好きな人たちの裏トークなど。本と作家、書店の魅力が満載です!最新情報はX(旧Twitter)で。

エンタメ
歴史
暮らし
本・書店
浜松市
島田市
焼津市

あなたにおすすめの記事

  • 島田発「愛するあなたへの悪口コンテスト」入賞作品が決定‼全国から寄せられた3950点の頂点に輝いたのは?

    島田発「愛するあなたへの悪口コンテスト」入賞作品が決定‼全国から寄せられた3950点の頂点に輝いたのは?

    静岡新聞出版部

    #エンタメ
    #暮らし
    #本・書店
    #静岡市
    #静岡市清水区
    #島田市
  • 【村松友視さんの新刊「悪口の極意」】 「愛するあなたへの悪口コンテスト」20年の軌跡

    【村松友視さんの新刊「悪口の極意」】 「愛するあなたへの悪口コンテスト」20年の軌跡

    論説委員しずおか文化談話室

    #おでかけ
    #エンタメ
    #静岡市
    #島田市
  • 新連載【作家さん!いらっしゃい】第1回は超大物ゲスト!直木賞作家・村松友視さんが語る悪口の極意、そして作家の極意とは?

    新連載【作家さん!いらっしゃい】第1回は超大物ゲスト!直木賞作家・村松友視さんが語る悪口の極意、そして作家の極意とは?

    静岡新聞出版部

    #エンタメ
    #暮らし
    #本・書店
    #静岡市
    #島田市
  • 締切5/31(金)までの七夕川柳コンテストに応募。サボちゃん前で投函できる。一生懸命考えました。(沼津市大手町)

    締切5/31(金)までの七夕川柳コンテストに応募。サボちゃん前で投函できる。一生懸命考えました。(沼津市大手町)

    ぬまつー

    #イベント
    #沼津市
  • 【水の都三島フォトコンテスト】8月31日まで写真大募集!入賞作品にはうなぎの蒲焼ほか三島の特産品を授与

    【水の都三島フォトコンテスト】8月31日まで写真大募集!入賞作品にはうなぎの蒲焼ほか三島の特産品を授与

    三島市

    #暮らし
    #三島市
  • 締め切り迫る!発行部数は8万部オーバー!来年4月スタートの沼津市市民カレンダー写真募集してる。

    締め切り迫る!発行部数は8万部オーバー!来年4月スタートの沼津市市民カレンダー写真募集してる。

    ぬまつー

    #沼津市
  • NHK受信料契約漏れ下田市にある公立病院でも乗用車1台判明 11年で16万7670円未払い=静岡

    NHK受信料契約漏れ下田市にある公立病院でも乗用車1台判明 11年で16万7670円未払い=静岡

    SBSテレビ LIVEしずおか

    #伊豆
    #下田市
  • 沼津市制100周年を飾る絵画コンテストの力作たちは今、ららぽーとで見られるよ。紙袋にもなってるみたい。

    沼津市制100周年を飾る絵画コンテストの力作たちは今、ららぽーとで見られるよ。紙袋にもなってるみたい。

    ぬまつー

    #イベント
    #沼津市
  • 最優秀賞受賞なるか。まじめに考えて応募した沼津仲見世商店街の七夕川柳コンテスト。あした21(金)から展示が始まるらしい。

    最優秀賞受賞なるか。まじめに考えて応募した沼津仲見世商店街の七夕川柳コンテスト。あした21(金)から展示が始まるらしい。

    ぬまつー

    #イベント
    #沼津市
  • 【まるちゃん音頭から考える「作品に罪があるのか」問題 】制作者や出演者が不祥事を起こした時、作品の公開は自粛するべきなのか

    【まるちゃん音頭から考える「作品に罪があるのか」問題 】制作者や出演者が不祥事を起こした時、作品の公開は自粛するべきなのか

    SBSラジオ ゴゴボラケ

    #暮らし