2024年1月5日
静岡新聞教育文化部

【村木嵐さんの「まいまいつぶろ」】田沼意次の「成り上がり」にも注目

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、1月17日に選考発表がある第170回直木賞にノミネートされた村木嵐さんの小説「まいまいつぶろ」(幻冬舎)。

江戸幕府第9代将軍徳川家重、言葉が不自由な彼の「通詞」として生涯を共にした大岡忠光と彼らを取り巻く幕閣の深慮遠謀。裏読みすると、相良藩(牧之原市)の藩主だった老中・田沼意次の「成り上がり物語」でもある。足軽から旗本になった意行の息子として14歳で小姓に取り立てられ、秀でた頭脳で家重、第10代将軍家治の信用を得る様は、超エリート官僚を思わせる。最後には「さまざまに名の高い、いや悪名も高い老中だ」という記述も。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

県内アートさんぽ
エンタメ

あなたにおすすめの記事

  • 【第170回直木賞候補作品の中に見つけた〝静岡〟】草薙球場の沢村栄治伝説、田沼意次、静岡茶…。意外なところに潜む静岡エピソード。直木賞候補作品を読んで探してみては?

    【第170回直木賞候補作品の中に見つけた〝静岡〟】草薙球場の沢村栄治伝説、田沼意次、静岡茶…。意外なところに潜む静岡エピソード。直木賞候補作品を読んで探してみては?

    SBSラジオ ゴゴボラケ

    #エンタメ
    #県内アートさんぽ
  • 【島津輝さんの「襷がけの二人」】昭和16年、絶賛の静岡茶

    【島津輝さんの「襷がけの二人」】昭和16年、絶賛の静岡茶

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
  • 【万城目学さんの「八月の御所グラウンド」】草薙球場での名勝負を描写

    【万城目学さんの「八月の御所グラウンド」】草薙球場での名勝負を描写

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
  • 【小説集「アンソロジーしずおか 戦国の新説」】  直木賞作家永井紗耶子さんら10人の歴史小説家が腕を競う。女性の活躍に注目

    【小説集「アンソロジーしずおか 戦国の新説」】 直木賞作家永井紗耶子さんら10人の歴史小説家が腕を競う。女性の活躍に注目

    論説委員しずおか文化談話室

    #エンタメ
    #暮らし
    #本・書店
    #浜松市
    #静岡市
    #沼津市
  • 【直木賞候補作を読む②麻布競馬場さん「令和元年の人生ゲーム」】舞台の整えが巧み

    【直木賞候補作を読む②麻布競馬場さん「令和元年の人生ゲーム」】舞台の整えが巧み

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
  • 【永井紗耶子さんの直木賞候補作「木挽町のあだ討ち」】現場は芝居小屋でなくてはならない

    【永井紗耶子さんの直木賞候補作「木挽町のあだ討ち」】現場は芝居小屋でなくてはならない

    静岡新聞教育文化部

    #エンタメ
    #県内アートさんぽ
  • 【直木賞候補作を読む③一穂ミチさん「ツミデミック」】変更不可能な現状 分かち合う

    【直木賞候補作を読む③一穂ミチさん「ツミデミック」】変更不可能な現状 分かち合う

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
  • 【直木賞】島田市出身の永井紗耶子さんの「木挽町のあだ討ち」が候補に。静岡県勢41年ぶりの快挙なるか!

    【直木賞】島田市出身の永井紗耶子さんの「木挽町のあだ討ち」が候補に。静岡県勢41年ぶりの快挙なるか!

    SBSラジオ ゴゴボラケ

    #エンタメ
    #県内アートさんぽ
  • 【澤田瞳子さんの「星落ちて、なお」】 狩野家と河鍋家

    【澤田瞳子さんの「星落ちて、なお」】 狩野家と河鍋家

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
  • 【直木賞候補作を読む①柚木麻子さん「あいにくあんたのためじゃない」】「個」と「連帯」の対比

    【直木賞候補作を読む①柚木麻子さん「あいにくあんたのためじゃない」】「個」と「連帯」の対比

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ