2024年2月27日
アットエス編集部

【籠と風呂敷】知る人ぞ知るスパイスカレーの名店。県外からもツウが通う“カゴフロ”の新メニューを食べてきました/富士宮

イベントにも引っ張りだこの人気店

JR富士宮駅北口から徒歩4分。ここにカレー好きをとりこにしている知る人ぞ知る店があります。その名は「籠と風呂敷」。全15席ほどの小さな店ですが、イベントにも引っ張りだこで県外からも通が訪れるスパイスカレー専門店です。新メニューの「ベジプレート」が好評との噂を聞き、友人を誘って出かけてきました。

一期一会のカレーとの出合いが待っている

カレーは日替わりの3種類から選ぶスタイル


店内に足を踏み入れると、黒板に書いた手書きのメニューが目に飛び込んできます。3種類あるカレーは全て日替わり。1種盛りか2種盛りかを選べます。

ある日の2種盛り。「豆々チリチキンキーマ」と「和牛スジカレー」のあいがけに「炙りポーク」をオン。野菜の副菜5種類が載る


作るのは店主の蜂須賀輝(あきら)さん。富士宮産の野菜や畜産品を中心に、自ら調合したスパイスを組み合わせて素材の持ち味を引き出します。

時には「炙りポーク」をチキンキーマに組み合わせたり、こんがり焼いたサンマをだしや具材に取り入れたり。ひらめきが生む「一期一会の味」を楽しめるのが「カゴフロ的カレー」の魅力なのです。

店主の蜂須賀輝(あきら)さんとフロアを担当する妹の杏奈さん


蜂須賀さんは両親がこの場所で営んでいた喫茶店ハーモニーで調理を担当しながらスパイスカレーを研究。2019年に「籠と風呂敷」をオープンしました。

20代の頃、インドに2カ月ほど滞在し北部から南部まで現地の味に触れた経験がある蜂須賀さん。仕事と並行して独学でスパイスについて学び試行錯誤を重ねたカレーは、一言で言うと独創的。訪れるたびに食材の意外な組み合わせに驚かされます。

久しぶりに訪れたこの日。友人は「ハマる人はハマる」という店主イチ推しの「ニボポーク」と「南インド風チキン」の2種盛り(あいがけ)を注文。私は最近登場した新メニュー「ベジプレート」をオーダーしました。

セメント系煮干し拉麺をイメージした「ニボポーク」

「ニボポーク」と「南インド風チキン」の2種盛り(あいがけ)。ご飯の上のパパド(豆の粉を伸ばして焼いた塩味の極薄チップス)も美味


先に運ばれてきたのは2種盛り。「いわゆる『セメント系煮干しラーメン』をカレーで再現したイメージ」と店主が語る「ニボポーク」(画像左側)は濃厚な煮干しのうま味とほろ苦さがガツンと来ます。これはやみつきになります。

一方、「南インド風チキン」(右側)は辛さの中に感じるココナッツミルクが何ともまろやか。どちらも芳醇なスパイスが口いっぱいに広がり、食欲をそそります。

そしてライスの上にトッピングした赤キャベツの酢漬けはお口直しにぴったり。すべて店主が手作りする副菜各種やカレーに組み合わせるのがおすすめです。

副菜が約10種類!男性もリピートする「ベジカレー」



続いて「ベジプレート」が登場。副菜だけで約10種類が盛られ、ビジュアルとボリューム感にテンションが上がります。「男性のリピーターも多いです」と妹の杏奈さんが語るのもうなずけます。

銀色の器の汁物はゴロッとしたカブの果肉と葉がたっぷり入った酸味のあるカレー、とろみのあるポタージュ状の汁物はレンズ豆と緑豆の「ダル」。現地では味噌汁のような存在です。

その隣はブロッコリーとココナッツを和えた「クートゥー」。ほかにも赤大根やれんこん、小松菜、キャベツなど、食感とスパイス使いに緩急をつけた副菜がご飯をぐるり取り巻きます。

ひと工夫したお米も美味!

「インド人って世界で一番、野菜をおいしく食べる民族だと思うんスよ」と蜂須賀さん。カゴフロのカレーに副菜を多く添えているのは南インドやスリランカカレーの影響を受けているとのこと。

「お米がタイ米より水分があっておいしいですね」と伝えると、そこにもカゴフロならではのひと手間がありました。「粒が細長いタイ米のジャスミン米がよく使われますが、うちはインド米のバスマティー米に日本のお米を混ぜているんです。もっちりした重さを出したくて」。噛むと甘みが広がるクミンとの相性がいいのも納得です。

地元産のゴボウが香る、ある日の「ゴボウカレー」

筆者は富士宮市に暮らしたことがありますが、富士山麓特有の肥沃な「黒ぼく土」が育む富士宮の野菜は、箱根西麓野菜に負けない味わいが魅力です。

野菜の楽しみ方を広げるスパイスに惚れこみ、独創的なカレーを生み出す蜂須賀さんと話していると、尽きない探究心と富士宮愛を感じます。ツウも認めるカゴフロ的カレーを味わいに、近くへ行った際は立ち寄ってみてはいかがでしょう。
アットエス編集部・柏木かほる

■カレー屋 籠と風呂敷
静岡県富士宮市東町25-7
電話 0544-27-1351
営業 火〜土曜と第1・第3日曜
時間 11:30~14:00(金・土曜は18:00~20:30もオープン)
定休 月曜、第2・第4日曜
駐車場 5台 ※2024年5月中旬、名古屋市に移転オープンするため閉店予定

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