2024年11月11日

【「鈴木邸 ~登録有形文化財~ 秋の探書会2024」の「いきつづける万国博 ―太陽の塔内部公開―」上映会】 1970年大阪万博のエピソード満載

太陽の塔にまつわる1970年の難工事の様子は、映像の中で施工技術者がかなり細かく語っている。何より衝撃的なのは、正三角トラス構造の大屋根(幅110×長さ300×高さ30メートル)を地上でつなぎ合わせ、全体をジャッキアップしたというエピソード。重さ4800トンにも及ぶ構造物を持ち上げるのは、海外でも類例がなかったという。
映像では、当時のコンパニオンの皆さん、子どもだった建築史家橋爪紳也さんらが万博を振り返り、自らの半生と現代日本社会への影響を考察する。太陽の塔の内部にそびえる「生命の樹」の再塗装など復元作業も収める。
当時の来場者はもちろん、2018年時点で証言する人々も一様に上気した顔なのが印象的。「万博」のインパクトそのものが伝わる。それは未来を「夢」として語ることが許された時代、万博だったからではないか。さて、2025年大阪万博はいかに。(は)
静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。
おでかけ
エンタメ
静岡市
あなたにおすすめの記事
【「鈴木邸 ~登録有形文化財~ 春の探書会」のトークイベント「映画の復元と、本にまつわるいくつかのエピソード」】 黒澤明監督「羅生門」。とある場面は夕刻か朝方か-。フィルムアーキビストはこの問いをどう解いたか
#おでかけ#エンタメ#静岡市#静岡市葵区【春の探書会と関東大震災のドキュメンタリー映画】登録有形文化財内での古書市は魅力いっぱい!地震災害を撮影したカメラマンの内心とは?
#おでかけ#エンタメ#県内アートさんぽ#静岡市【「シズオカ×カンヌウィーク2025」の「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」完成作品上映会】日本映画の未来を担うクリエーターの短編作品を連続上映
#おでかけ#エンタメ#静岡市#静岡市葵区【映画「太陽(ティダ)の運命」の佐古忠彦監督の舞台あいさつ】 正反対の立場だった2人の沖縄県知事がいつしか同じ道に。大田昌秀氏、翁長雄志氏の映像と証言
#おでかけ#エンタメ#静岡市#静岡市葵区「沖縄から日本をもう1回見直して 考えてみる」佐古忠彦監督『太陽の運命』に込めた思い 5月16日から静岡で上映
【藤津亮太さんの講座「アニメ映画を読む」「映像作品としての『機動戦士ガンダム』」】 富野由悠季監督の演出技法を解説。第1話は1970年代後半に積み重ねた試行錯誤の「集大成」
#おでかけ#エンタメ#本・書店#静岡市#静岡市葵区#藤枝市