
「ロースやヒレなど仕入れ価格が毎月上がっている」国産豚肉が高い! 家庭の味方が過去最高値に 原因は『夏バテ』=静岡

連日の暑さの余波に消費者も生産者も悲鳴を上げています。「家計の味方」ともいわれる豚肉がかつてないほどの高値となっています。
静岡市駿河区のとんかつ店です。静岡県内産の銘柄豚を提供していますが、この大事な食材がいま、悩みの種になっています。
<まさごグループ 秋山俊雄社長>
「ロースやヒレなど、とんかつに必要な部位の仕入れ価格が、毎月上がっているような非常に厳しい状況ですね」

豚肉の仕入れ価格は直近の1か月間で、1割から2割ほど上がりました。農林水産省によりますと、国産豚肉の卸売価格は6月ごろから上昇し、7月18日には1キロあたり948円と過去最高値を記録しました。
価格高騰の理由は、豚の「夏バテ」。猛暑の影響で豚の体力が低下し、繁殖がうまくいかず出荷の遅れや数が減少するという深刻な状況になっています。店では何とか値上げはせずに踏張っていきたいと話します。
<秋山社長>
「仕入れのルートを考えたりとか、無駄を省いたり、各店舗間で情報を共有して出来るだけコストを抑えてというふうな努力を続けたいなと思っている」
豚肉の価格高騰は消費者にも打撃を与えています。
<客>
「辛いです。すごく辛いです。うちは子どもが多いので豚肉メイン、メインになっているので、安くいてほしいです」
こちらのスーパーでは国産豚肉の価格が前の年の同じ時期に比べて2割ほど高くなっています。国産豚肉の高騰を受け、外国産豚肉の販売を拡大する方針に舵をきりました。
<田子重西中原店 増田克己店長>
「豚肉で利益がほとんど取れない状況。その代わりにカナダ産が比較的安く販売できるということで、お客様にも安く購入できるというのが大きなメリットがあるということでカナダ産を売り込んでいる」
<しんちゃん農場 小笠原徹也さん>
「こちらが豚舎になります」
ブランド豚を約700頭飼育しているこの養豚場では、夏に弱い豚が快適に過ごせるように暑さ対策を実施しています。
<小笠原さん>
「豚舎の中に風が入ってくる最初の入口に水を垂らして、冷たい空気を流したり、壁に扇風機をつけている」
コストは増える一方で、気を揉む状況は続くと話します。
<小笠原さん>
「(暑さが続くと)豚の成育も下がってきちゃうし、そうなるとエサをやる期間も増えるので、エサ代がかかるとか、水道代がかかるとか、そういう方にも影響してきちゃうので困ります」
「家計の味方」ともいわれる豚肉。この暑さが続く限り、豚にとっても消費者にとっても厳しい夏は続きそうです。
「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA