2025年9月9日

<プリンスリーグ東海>昇格1年目の東海大翔洋が4位と奮闘中。2年生MF西尾周賢のロングスローが相手の脅威に!清水ユース戦でも同点弾の起点に。
ロングスローを武器にするボランチ西尾周賢
約2カ月ぶりに再開したサッカーの高円宮杯U-18プリンスリーグ東海で、静岡県Aリーグから昇格したばかりの東海大翔洋が折り返し地点を過ぎて4位と奮闘している。中断期間中は山梨学院や帝京など県外の強豪と試合を重ね、現有戦力で勝ち点を手繰り寄せられる戦術を模索。リーグ再開初戦の清水エスパルス戦は2度リードを許しながらも追いつき、首位独走中のチームと2−2で引き分けた。
太田監督「使いたくなっちゃう(笑)」
「今年のチームは相手の嫌なことをやりながら、泥くさく戦っていくスタイル」
清水ユース戦の後、太田恒治監督はそんなふうに今年のチームの戦い方を説明した。指揮官の言葉を象徴しているのが、清水ユース戦でも見せたボランチ西尾周賢(鳥取KFC出身)のロングスローだろう。
敵陣でタッチラインを割ると、西尾が次々にゴール前に放り込んで好機を作り出す。0−1で迎えた前半26分には、ファーサイドまで伸びるボールを届けて同点弾を呼び込んだ。
指揮官は「相手にやられたら『あんなのサッカーじゃねえ』と文句を言いたくなるところだけど、自分のチームに投げられる選手がいると使いたくなっちゃう(笑)。いる選手でどう戦うか。相手にとっては脅威ですよね」と笑う。
プリンスリーグ東海はここまで5勝1分け4敗で4位につけ、ゴール数はリーグ2位の26点。今年の全国高校サッカー選手権県予選は第1シード(4チーム)として決勝トーナメントから登場することになった。
個性豊かなテクニシャンたちを擁した昨季のチームとは違う“現実的なスタイル”で、今季はどんな果実を実らせるか。タイガー軍団の戦いから目が離せない。
“ロングスロー職人”西尾周賢
2−2のドローに終わった清水ユース戦後、東海大翔洋の2年生ボランチ西尾周賢は「前期(4月5日の開幕戦)は2−4で敗れていたので、きょうは勝ちたかった」と悔しげだった。
この試合、西尾が観衆の目を引いたのは糸を引くライナー性のロングスローだ。筋肉質の体をしならせて両手から放ったボールは、低い軌道で、強く、速く、ゴール前に飛んでいく。
遠くに飛ばすコツはあるのか。「手が頭を通り過ぎる瞬間ぐらいにボールを離しています。小学校からずっと投げてきたんですが、ライナーのボールは前期のエスパルス戦で突然できるようになりました。監督からは『どんどん投げろ』と言われています」。プリンスリーグでも、ロングスローが起点となったゴールが4〜5点生まれているという。
本人によると、筋肉質の体は韓国人の父から譲り受けたという。安定感たっぷりの下半身を生かして、中盤で強度の高いプレーを披露する。
西尾は韓国で生まれ、小学2年で鳥取県に。小学時代に鳥取県トレセン、中学2年時には中国トレセンにも選ばれていた。中学3年時に知人に紹介された東海大翔洋の練習に参加し、サッカーに集中できる環境に引かれたという。
「今年はプリンス4位以上、選手権は全国に出場できるように頑張りたいです。来年は自分の代なので、インハイと選手権、プリンスで優勝目指します」
タイガー軍団の中心に、この頑丈なボランチがしばらく君臨しそうだ。
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