2025年9月10日
静岡新聞運動部

ジュビロ磐田ボランチ陣が熾烈なポジション争い!残り10試合、4選手それぞれが描くJ1昇格までの道筋とは…

(左から)金子大毅、井上潮音、上原力也、中村駿


ジュビロ磐田の中村駿選手が9月6日、静岡県J4クラブ強化トレーニングマッチの清水エスパルス戦で、約3カ月ぶりに実戦復帰しました。井上潮音選手、上原力也選手、金子大毅選手が好調を維持しているボランチ陣の戦力がさらに充実します。9月13日のFC今治戦からの残り10試合へ、ダブルボランチの組み合わせにも注目です。

MF中村駿「やっと戻ってきたな」


-6月4日の湘南ベルマーレとのルヴァン杯プレーオフ第1戦での負傷でした。
(復帰は)予定通りだと思います。けがしたシーンのことを言うと、あのシーンで失点してすごくチームに迷惑をかけたので、それを次、戻ってきた時にどう取り返すかだけだと思うので、戻ったときにどうできるかを考えながら日々リハビリしてたという感じですね。

-けがした直後も相手と並走していました。
そうですね。あれで結果が0−2にならなかったら、点差が開かなかったらとか、いろいろ考えることもありますし、そこはリーグで取り返すしかないなと思っています。

-9月6日の清水エスパルスとの練習試合で実戦復帰しました。
やっと戻ってきたなというのと、これからだなっていう思いです。やっぱり一つのミスで失点するというのはJ1のレベルだと思うので、それが自分のところでミスしてからの失点だったので、そこは反省しながら。それがリーグじゃなくてよかったなというのと、全体で言うとゴール前の迫力というのは今は足りないのかなと思うので、そこはみんなで確認しながら試合に向かっていければなと思います。

-出場時間は20数分でした。
予定通りです。ボールを使うのと普通に走るのとは全然違うので、まあ時間が解決してくれるかなとは思いますけど、時間がそんなにないので急ピッチなところはあります。

-再発への不安も気にしながらになります。
毎日毎日しっかり確認しながら、不安があればやらないつもりではいるので、そこは今のところは大丈夫かなと思います。

-残り10試合に向けて。
勝ち点30を取らないと昇格できないと思うので、そこを目指すのと、30って言いましたけど、負け試合を引き分けにするとか、そういう地道な積み重ねが最後に大きく積み上がってくると思うので、それに少しでも自分がピッチ内で貢献できるように、今はできるところまで来たので、あとはピッチでやるだけかなと。練習からみんなで競争し合いながらですけど、自分が出たときに何ができるか、自分でしっかり毎日取り組んでいきたいなと思います。

-ピッチ外から見ていたチームの印象は。
いいとき悪いときの差が少しあったのかなとは思います。悪いときにどうにか勝ち点を取れるような力はまだなくて、悪いままゲームが終わってしまったり、点を取れそうで結局0−0のまま試合が終わってしまったりとか。

でもそこはジョン(ハッチンソン監督)が来て1年目ですし、難しい部分も間違いなくありますし、人が夏に入ってきて新たな顔ぶれで試合をしたりと、なかなか最初から積み上げてきたものが今は違う形に変化している部分もあるので、そこはうまく融合しながら。勝って成長というのが一番いいと思うので。

やっぱり難しい試合でも今は上に食らいついていくっていうことをしていかないと置いていかれて、最後は手に届かないところまでいってしまうと思う。いいときはいいし、もう本当に良くないときは修正できずに試合が終わってしまうというのがあったと思うので、そこは俯瞰(ふかん)してピッチに立ちながらも、自分が修正できるところはしていきたいなと思う。

どのぐらい自分がピッチに立てるかわからないですけど、出た時に少しでも外の時間というのを自分が無駄にせず、チームに還元できたらなとは思います。

-このチームは特にボランチがそうした役目を果たしています。
任されている部分はすごくあると思いますし、自分たちの出来次第で試合が決まってもおかしくないとは思うので、たくさんボールを触りながら、みんなを動かしながらやれればなと思います。

-ボランチはようやく選手層に厚みが出てきました。
僕がいない間に大毅(金子選手)も潮音(井上選手)も力也(上原選手)もすごくいいプレーをしていたので、また一から僕もスタメン争いできるように、一から頑張りたいなと思います。

MF井上潮音「2人がいい仕事ができれば」


-前節8月31日の大分トリニータ戦は徹底してゴール前を固められ、得点を奪うことができずに引き分けました。
その前の2試合は前から来る相手で、それに対してすごい攻略というか、自分たちが手応えをつかめていた中で、ああいう相手にああいう試合をしたので、多分これからそういう相手も増えてくるかもしれないし。

でもあの試合でみんなある程度こうした方がいいんじゃないかとか、そういう相手に対してそういう感覚はつかめたと思うので、どっちのような相手が来てももう大丈夫かなという気はしています。

-今振り返ればどうすればよかったと思いますか。
もっと相手を自分たちで動かさないといけないなというのは感じました。横にも縦にもですね。あとはやっぱりミドルシュートだったりクロスだったり、そういうアバウトなものというのはもっと数をこなしていくことも必要なんじゃないかなと感じました。

-確かに倍井謙選手のミドルシュートなど、後半にようやく相手を脅かす攻撃がありました。
やっぱりボールを大事にするというコンセプトのチームなので、大事にしすぎちゃうというか。でもああいう相手に対してはもっとクロスをアバウトに入れたり、シュートをもうちょっとアバウトに打ったりというのは必要かなと思います。

-FC今治のイメージはありますか。
勢いのあるチームだなという、何となくの印象はあります。

-上原力也手とのダブルボランチは早くも息が合っているように見えます。
本当にこのチームはボランチのところが鍵になると思っているので、誰が出てもいい選手いますし、いい仕事を2人ができればいいかなと思っています。

-ゲームメークのところは井上選手の腕の見せどころです。
でもそこは力也くんもやってくれるので。それ以外のセカンドボールを回収するところだったり、ちょっと前に出て行くところだったり、そういうところを意識しているかなという感じです。

-ピッチ外で2人の意見をすり合わせたりしていますか。
いや、話すこともありますけど、やっぱり経験ある選手なので、やっていれば何となくわかりますし、そこはうまくやれているんじゃないかなと思います。あとはお互いの距離感というのが大事だと思うので、離れすぎず、近くで2人やれればいいかなというのは思いますね。

MF上原力也「いろいろな相手に順応できるチームに」


-前節8月31日の大分トリニータ戦は磐田にとって難しい試合となりました。
(肩を落としながら)難しいよ。普通にゴール前に10人、11人、筋トレしている成人の大人がいるだけでも難しいのに、アスリートが並んでいたら難しいし、工夫も必要だったし、もっと言っちゃえば、ちょっと運みたいなのも必要だったかもしれない。

ただ、ああいう相手がここから昇格争いもそうだし、残留争いもそうだし、プレーオフ圏内もそうだし、勝ち点を取るようなサッカーをしてくるチームは必ず出てくるし、ウチもしかり。だからああいう相手にも勝てるような戦い方をしっかり持たなければいけないと思いますし、それは修正できる課題だと思います。

-8月23日のカターレ富山戦のように、得点に繋がった上原選手の浮き球のパスとか、ああいう意外性のあるアイデアがこれからもっと必要になってきそうですね。
点が入らなかったら、僕の考えはチャンスの回数を増やすしかないというのは思います。だから1本1本の決定力を上げるのはもちろんだけど、それが難しいのならば、そういうシーンを多く作る、チャンスのシーンを作るというのが、一番点を取るにはいい作業だと思うので。

だからペナに入っていく回数だったり、多少強引に入っていくようなものも含めて。謙(倍井選手)とも話したけど、もう少しペナに入っていければPKもあっただろうし、そういうシーンもしっかり増やして、ゴール前でフリーキックとかセットプレーも含めてあるかと。

-前回5月3日のFC今治戦は、3連敗した後に開き直って3得点しました。
あれはまた違って、あのときは前からガンガン、ハイプレスに来るチームに手こずっていたから。それが何かあれが一つの打開策で、背後をどんどん蹴るまではいかないけど、ロングボール、長いボールを使って相手を裏返していくという武器を得た試合でもあったけど、大分は逆でした。

いろいろな相手に対して順応できるようなチームにならなければいけないですし、強いチームはそれができる。

-金子大毅選手との関係も良かったが、井上潮音選手ともいい関係が築けているのでは。
今いる選手たちは人を見られるから、お互いどういう動きをしたいかとか、特徴も含めて。頭のいい選手だから。(井上選手は)ボールを失わないし。でも大毅だって自分が楽になるし、守備をしてくれるし。それぞれいいところもあるし。なんか弱点を補いながらストロングを優先しつつ、いい関係ができていると思います。

-残り10試合に向けて。
ホームの勝ち点3はもうマスト中のマストだと思うし、ホームの残り5試合は確実に勝たなければいけない。そういう思いを持ってやりたいなと思います。

MF金子大毅「やりきるんだという強い気持ちで」


-9月6日の清水エスパルスとの練習試合を振り返って。
ボールを持たされている感覚があったし、そこからカウンターを狙っているというのはちょっと感じたし、奪われ方だったり、やりきるというのは、相手のレベルが上になると、より重要だなと思いました。

-そうした反省を踏まえ、今後に生かしたいところは。
リスク管理のところだったり、でも一つはやっぱりやりきるというのが一番大事かなと思いました。やっぱりやりきればゴールも増えると思うし、チャンスも増えると思うし、どうしても中途半端な感じで終わりとカウンターを受けやすいので、そこは注意しないといけないなと思いました。

-ハッチンソン監督はダブルボランチの組み合わせがこれから大事になるとおっしゃっています。
競争があればチームはより良くなると思いますし、そこでしっかり練習でいいパフォーマンスをして誰か試合に出るかというのをやりたいなと思っています。

-金子選手の特長といえば推進力と守備力でしょうか。
そこはこのチームで異色のスタイルだと思うし、そこを出さなければ自分の価値というのはないと思うので、守備の行き方とかそういうのはありますけど、そういうところをしっかり考えながら自分の特徴を出せるようにやっていきたいなと思います。

-上原力也選手、井上潮音選手とそれぞれ組んだ時に変えているようなことはありますか。
もちろんやり方とかは変わってくるし、この前(清水戦)は潮音くんと長い時間、初めてやりましたけど、そこでつかめた部分というのがあったので、そういった意味ではこの前一緒に出られてよかったなと思います。それぞれ特徴があると思うので、他の選手も多分合わせてくれていると思いますけど、お互いを理解しながら意思疎通をして試合に出るというのは大事だと思うので、そういうところはちょっとずつ合わせていけたらいいなと思います。

-井上選手とのコンビで自分が生きるところなどは。
比較的自由に動いて、いろいろなところでパスを受けるという、もうちょっとトップ下気味の、インサイドハーフ気味のポジションで受けることもあるし、落ちてくれることもあるし、潮音くんがそういう立ち位置を取ったときは、できるだけ真ん中で僕がビルドアップしたり、参加したりするというのは大事かなと思います。力也くんで言えばどちらかというと結構真ん中に構えて、駿くん(中村選手)もそういう感じなんですけど。そういう時はうまく前に出ていったりというのをやれたらなと思います。

-練習中にショーンコーチと長く話をしていました。
前の試合のプレーについて、自分も映像を見て気になっていた部分でもあったので、そこをしっかり自分が思っていたことをそのまま言われたので、やっぱりなって思ったし、見る観点は間違っていなかったと思います。

-金子選手は湘南ベルマーレなどに所属し、昇格や残留争いなどを多く経験してきましたが、残り10試合で大事なことは。
やっぱりネガティブにならないこと。湘南のときにプレーオフを2回経験しましたけど、どうしてもネガティブになるとどんどんラスト10試合から試合数が減っていき、落ち込んでいく感じで雰囲気も悪くなっていくので。

もちろん勝たなければいけないんですけど、どんな結果であれ、やっぱり前向きに全員がやりきるんだという強い気持ちを持ってやることが大事かなと思います。ラスト10試合でなかなか勝てないという状態に陥り、雰囲気が悪くなってしまうと昇格は絶対無理だと思うし、いい流れに持っていければ結構力を出せるチームだと思うし、その波に持っていけるかというのはすごい大事だと思います。

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