
「ねつ造、改ざんに当たる」原子力規制委が中部電力を痛烈非難 浜岡原発の約12年にわたる再稼働の審査白紙の見通し=静岡

意図的に地震の揺れを小さくみせていた疑い
浜岡原子力発電所の再稼働の審査をめぐり、中部電力がデータを不正に操作していた問題で、原子力規制委員会からは「ねつ造、改ざんに当たる」などの厳しい意見が噴出しました。
約12年にわたる審査は白紙の見通しに。地元自治体は、国に中部電力の監督を徹底するよう要望する方針です。
<原子力規制委員会 山中伸介委員長>
「安全規制に対する暴挙である。審査そのものをやり直していく必要があろうかと」
1月7日、都内で開かれた原子力規制委員会の会見で、山中委員長は厳しい言葉を述べました。その矛先は中部電力です。
中部電力が管理・運営する静岡県御前崎市の浜岡原発。その再稼働の審査で中部電力がデータを不正に操作し、意図的に地震の揺れを小さくみせていた疑いが明らかになったのです。
<委員>
「恣意的に本来選ばれるべき(地震の)波よりも小さな波を選んだということだと思う。ねつ造、または改ざんに当たるもの。非常に大きな失望を感じた」
委員「審査データのねつ造案件、明らかに不正行為」
ねつ造と指摘されたのは「基準地震動」と呼ばれる、想定する最大の揺れを示す数値。

中部電力は規制委員会への説明で、原発に影響を与える地震を想定する際にランダムな地震の波のグラフを作成し、「平均に最も近いもの」を代表とするなどと説明していました。

しかし、実際にはあらかじめ代表にしたい地震の波を選んだ上で、整合性がとれるようにあとから他の地震の波形を選定していたのです。
<中部電力 林欣吾社長>
「基準地震動の策定に関して不適切な取り扱いをしていた疑いあることが確認された」
あざむかれた側の規制委員会は「不適切」という表現では収まりません。
<委員>
「審査データのねつ造案件である、明らかに不正行為である」
<委員>
「心底がっかりしている」
<委員>
「審査に要した国費を無駄にするような行為であったと受け止めている」
約12年にわたる審査が白紙の見通し
浜岡原発は2011年、福島第一原発の事故を受けて原子炉がすべて停止しました。
その後、2014年に再稼働に向けて、いわゆる「安全審査」を申請。
約12年にわたって審査が継続されていましたが、設備の耐震設計など安全性の前提となるデータの不正によって審査は白紙の見通しに。
津波対策として建設していた巨大防波壁の強度も信頼性を失うことに。
静岡県の鈴木知事も取材に応じ、「何らかの形で国に申し入れをする必要がある」と話しました。
<静岡県 鈴木康友知事>
「本当に信頼性を失わせる大変遺憾なできごと。国に対してはしっかり事業者を指導・監督するよう求めていく」
また、浜岡原発の周辺自治体の市長は、1月中にも経済産業省や内閣府などに対し、中部電力の管理・監督を徹底するよう要望する方向で調整しているということです。
混沌とした再稼働への道のり。規制委員会は中部電力への立ち入り検査を行う方針で、審査のやり直しを含めて具体的な対応を14日に議論する予定です。
今後の予定は

浜岡原発の審査の流れです。2011年の東日本大震災を受けて原子炉は停止。
その後、中部電力は再稼働に向けて4号機、3号機と立て続けに「安全審査」を申請しました。
2023年には安全性の大前提となる「基準地震動」が規制委員会から了承されましたが、その前にすでに意図的に地震動を過小評価するような不正行為を行っていたことが今回判明したわけです。
実際にどれだけの数のデータ不正があり、なぜその行為に至ったのかは現在調査中です。

この問題をめぐる今後の予定です。
1月9日には、原発の立地する御前崎市の市議会に対して中部電力がデータ不正の経緯を説明します。
14日には原子力規制委員会があり、審査の白紙を含めて議論が展開されます。
また、規制委員会による中部電力への立ち入り検査、原発の周辺自治体による国への要望などが続く見通しです。
中部電力は「原子力事業者としての適格性を疑われるものであり、大変申し訳なく考えております」などとコメントを発表しました。
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