2026年1月23日
しずおかBallpark通信

​<社会人野球>中京大・川瀬譲二(藤枝明誠高出)がミキハウスへ 大学4年秋季リーグで打撃3冠王 西武入りの秋山俊に「負けられない」

静岡県・藤枝明誠高の主砲として高校通算35本塁打を放った中京大・川瀬譲二外野手の社会人野球・ミキハウス入りが内定した。

集大成の秋に三冠王

大学4年春の全日本大学野球選手権に4番、左翼で出場し、3試合で11打数7安打(打率6割3分6厘)と8強入りに貢献した。
4年秋の愛知大学野球リーグ(1部)では打率4割8厘、本塁打3本、14打点と打撃3部門でキャリアハイを達成して三冠王を獲得。大学4年間を全力でやり遂げた。

4年春の全日本大学野球選手権が行われた東京ドームで

「あと1シーズン早ければ、という思いもあるけれど、最後にこの結果を出せたというのは、やってきたことは間違いじゃなかったのかなと思う」

同期3人がプロ入り

同期では秋山俊外野手(西武)、高木快大投手(広島)、大矢琉晟投手(ソフトバンク育成)の3選手が昨秋のプロ野球・ドラフト会議で指名を受けた。

「僕らの代は個々の意識が高くて、いろんな刺激を受けた」と川瀬選手。中でも同じ外野手の秋山選手には「守備、走塁では勝てなくても、バッティングだけは負けられないと思って4年間やってきた」。その集大成を結果で示した。

3年春にベストナイン

大学2年春からベンチ入り。2年秋は先発でスタートしたものの、10打数8三振という散々な結果で、スタメンから外された。「これでだめだったら野球人生終了」と覚悟して挑んだ3年春は一塁や左翼でスタメンに定着。打率4割超でベストナインに輝いた。

4年春まで進路決まらず

チームにプロのスカウトから注目される選手が多い中、4年春までどこからも声は掛からなかった。「野球を続けたい」「プロに行きたい」。その一心でがむしゃらに練習し、春の全日本選手権出場に貢献。大会での活躍が社会人チームの目に留まった。

全日本直前に左手首骨折

どれほど必死だったか、それを物語るエピソードがある。
4年の春季リーグ最終戦で打球を追って外野フェンスに激突し、左手首を骨折してしまった。「正直、バットを振りたくないくらい痛かった」と言う。
ただ、その時点で卒業後の進路は決まっておらず、医師の診断がどんな結果でも全日本選手権に強行出場すると決めていた。

「出なかったら次はない。出てだめなら区切りが付く」と腹をくくり、「人生を懸けています」と監督に出場を直訴した。痛みを「アドレナリン」で封じて臨んだ全日本選手権での活躍は前述の通りだ。

プロ入り「諦めてない」

180㌢、93㌔とバランスのいい体格。守備や足では世代トップクラスに及ばないが、打力については対抗できる力があり、プロ入りも「全然諦めていない」。

「自分は打撃だけ。武器が少ない。社会人はいろんなことができる選手を取る傾向がある中で(ミキハウスに)声を掛けていただいた」とチャンスをもらったことに感謝する。
まずはその恩を返すため、社会人で日本一を目指す。
「(大学より)もう一つ上のレベルでやれることで学びも増えると思う。チームの戦力になれるようにやれることは全部やる」
(編集局ニュースセンター・結城啓子)

かわせ・じょうじ 愛知県豊田市出身。右投右打。愛知・東海ボーイズ、藤枝明誠高を経て中京大入り。高1秋の地区大会からベンチ入り。続く東海大会からスタメンに定着。高2秋から主将を務め、秋、春の県大会2冠を達成。高2秋の県大会2回戦の掛川西高戦では沢山優介投手(ヤマハ)からレフトポール直撃の本塁打を放っている。

藤枝明誠高2年秋の県大会2回戦で、掛川西高の沢山投手から3ランを放つ川瀬選手

<取材こぼれ話>
高校時代、川瀬選手の一つ上が藤枝明誠最強世代と呼ばれた学年でしたが、コロナ禍で甲子園が中止になりました。2017年以来の甲子園出場の可能性が十分にあっただけに、チームが受けたダメージは大きく、主将を引き継いだ川瀬選手は立て直しに苦労し、思い悩んだ時期もありました。

2年秋の県大会1週間前のこと、川瀬主将〝脱走事件〟が起きました。その日は雨上がりでグラウンドが使えず、近くの川沿いでアップをしていたのですが、その後「川瀬がいない」とちょっとした騒ぎになったそうです。

当時の前主将、村松杏都さんらの捜索で発見されましたが、川瀬選手本人に脱走するつもりは全くなく「(上の代に比べて)力のないチームをどうしようかなと考えながら堤防を歩いていたんです。ちょっとしたら帰ろうと思っていたのに、気づいたらめちゃくちゃ遠くまで歩いていて」と恥ずかしそうに振り返ります。
その秋、主将の「本気」に感化されたチームは県大会2連覇を達成。「力のない中での勝ち方っていろいろあるんだな」と学びがあったそうです。

静岡県に関係する野球の話題を中心に、プロから社会人、大学、高校、中学まで幅広く取り上げます。新聞記事とは異なる切り口で、こぼれ話も織り交ぜながらお届けします。時々バレーボールの話題も提供します。最新情報は X(旧Twitter)「しずおか×スポーツ」で。

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