2026年1月30日

住宅火災の大きな原因は放火。放火されないための6つのポイントとは?
2025年11月には大分県や香港で大きな火災が起きたことが報じられ、その後も各地で火災が発生しています。実は、住宅火災の大きな原因の一つが「放火」。今回は放火されない環境作りについて、静岡市消防局消防部予防課主任の西井戸萌さんにSBSアナウンサー井手春希が伺いました。
放火を原因とする火災が近年多発
井手:2025年11月に起きた大分や香港での火災は、どちらも被害が大きかったですね。西井戸:そうですね。大分県の火災が大規模となった要因として、雨が少なかったことによる大気の乾燥、そして、木造密集地域であったことなどが挙げられます。
2025年2月に大船渡市で発生した林野火災も同様ですが、大気の乾燥により火災が発生しやすくなり、それに加え、強風が吹くことにより、火災は大規模化しやすくなると考えます。香港のマンション火災については、多数の逃げ遅れ者が発生しております。
井手:そうですね。一方で、近年は住宅での火災原因としては放火が多いということです。私も初めて知りました。
西井戸:実は放火が多いんです。静岡市消防局管内の放火または放火の疑いを出火原因とする火災は、平成18年から令和3年まで連続して第1位で、その後も常に上位にあります。
このことから、地域社会を放火火災から守ることを目的として、平成27年から静岡市消防局では放火されない環境作り事業を実施しています。
井手:そうなんですね。事例としてはどういうものが多いんでしょうか?
西井戸:様々な事例がありますので、一部を紹介します。▷早朝、飲食店の屋外ゴミ箱に軽油をまいて放火されたもの▷午後、アパートのドアポストに火のついた新聞紙を入れたもの▷早朝、無施錠の体育器具庫に侵入し、置いてあったトイレットペーパーに放火したもの▷夜間に住宅解体現場の敷地内に置かれた廃材に放火したものーなどがありました。
その他、今年発生した事案以外だと▷夜間、住宅敷地内に侵入し、屋外に置かれた木造の棚に放火されたもの▷日中、屋外に掲示されていたポスターに放火されたものーなどがあります。
井手:どれも根本的に悪質だなと思います。
放火されないために、今すぐできる対策はこれ!
井手:私達が対策する場合はどういったところがポイントになりますか?西井戸:放火されない環境作りとして、6つのポイントがあります。
①物置や倉庫には鍵をかけること②センサーライトなどで家の周りを明るくすること③家の周りに燃えやすい物を置かないこと④車やバイクのカバーは防炎製品を使用すること⑤ゴミは必ず収集日の朝に出すこと⑥近所と協力し、放火されない環境を作る。以上の6つがポイントです。
井手:なるほど!ゴミ収集日の朝にゴミを出すっていうのは、防火という面でも大事な側面があるんですね。
住宅用火災警報器は定期的に点検、交換を
井手:家庭で火が出たことをいち早く察知するという点では、住宅用火災警報器も大切になってきますよね。西井戸:そうです。住宅用火災警報器は、火災により発生した煙をいち早く感知し、警報などで住民に知らせます。これにより、逃げ遅れの防止、火災による被害の軽減に繋がります。住宅用火災警報器は平成21年から設置が義務となっていて、寝室や寝室が2階以上にある場合には、階段への設置が義務となっています。既に設置されている方も定期的に点検を行い、機器が正常に作動するか確認を行ってください。10年を目安に交換の検討をお願いします。
設置していないという方がいましたら、家電量販店やホームセンター等で購入できるので設置をお願いします。消防庁において、住宅火災における被害状況を分析したところ、住宅用火災警報器が設置されている場合は設置されていない場合に比べ、死者数と損害額は半減しているという結果が出ています。住宅用火災警報器が皆さんの命と財産を守ります。
万が一、火災が起きてしまったら?
井手:そして万が一、家や自分がいる場所で火事が起こってしまった場合に、消火と避難の際の注意点を教えてください。西井戸:まずは落ち着いて状況を把握しましょう。火災が初期であれば、消火器や水バケツ等を使った消火が可能となる場合があります。火災が背丈以上まで立ち上がっている場合には、直ちに避難し、119番通報をしてください。火災の煙には有毒な一酸化炭素が含まれているため、吸い込んでしまうと、意識障害が起きて逃げ遅れの原因となってしまいます。
煙は上部に溜まっていく性質があるため、姿勢を低くして避難を行い、煙を吸い込まないようにしましょう。
避難のポイントとして①一度逃げ出したら絶対に戻らないこと②エレベーターがあっても絶対に使用しないこと③できるだけ建物の外や下の階に避難することーなどがあります。
普段からできることは、利用する建物の避難経路を確認しておくことです。階段の場所や誘導灯、避難器具の場所を把握しておくことで、落ち着いて避難することができます。
井手:これからお出かけをする方も多いと思いますが、宿泊施設を利用する際は、避難経路を確認をして、泊まったりしたいなと思います。最後に、皆さんにメッセージをお願いします。
西井戸:放火火災は静岡市消防局管内だけではなく、全国的に見ても火災原因の上位を占めています。皆さんも、放火火災を防ぐための6つのポイントを実施して、放火されない環境を作っていきましょう。
井手:ぜひ放火されない環境作りをしていただきたいと思います。西井戸さんありがとうございました。
※2025年12月17日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。
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