
"ファンのボルテージを上げる"世界に一つだけのプロレスマスク 覆面レスラーの"顔"作るミリ単位の調整に込めたプロの誇り【しずおか産】

凹凸のあるきらびやかな生地に、スニーカーの紐のような装飾。さらに、インパクトのある造形物。これらはすべて、ある「マスク」のパーツです。「マスク」といっても、ただのマスクではありません。
<金國賢一記者>
「今回の『しずおか産』は、世界に一つだけのプロレスマスクです」

浜松市の街なかにある「PUKUPUKU工房」。手掛けるのは、神谷淳さん(54)。全国でもわずか2、30人ほどしかいないという「プロレスマスク」の職人です。40歳の時に脱サラしてこの世界に飛び込みました。
年間200枚以上、1000枚超を送り出した熟練の技
マスクのベースとなる生地を迷いなく切っていきます。
<PUKUPUKU工房 神谷淳さん>
「これは慣れですかね。めちゃくちゃ作ってますから」
Q. これまでどのくらい作りましたか
「勘定したことはないですが、1000枚はゆうに超えてる。年間で最低200枚は作っている」
覆面レスラーにとって、マスクはまさに「顔」そのもの。1枚1枚手作りする神谷さんのマスクにはファンが多く、試合ごとにマスクを変えることで知られるBUSHI選手をはじめ、現役レスラーも愛用しています。
輝きと機能性の両立 ミリ単位で変わる「レスラーの表情」
<PUKUPUKU工房 神谷さん>
「(いま縫っているのは)シュンスカイウォーカー選手のマスクの模様」
Q. これな何の生地ですか?
「エナメルですね」
見た目と機能性の両立が求められるマスク。生地1つとっても徹底的にこだわります。
<PUKUPUKU工房 神谷さん>
「本体には顔にフィットする縦横の伸縮性があるものを使っていて、リングの上で照明に当たった時にちょっと跳ね返りがあってまぶしいくらいに輝く素材をつかっている」
かつてはジャージ素材が主流でしたが、いまや「リングでいかに映えるか」が重要視されているといいます。さらに。
<PUKUPUKU工房 神谷さん>
「ここが正解の位置」
Q. 上すぎても下すぎても格好悪い?
「フォルムとして目の位置、バランスとして格好いい位置で、選手が見てもいい位置。これが上がるだけで選手の顔の雰囲気が大きく変わってしまう。本当にミリ単位の話」
初代タイガーマスクへの衝撃から職人の道へ
神谷さんとマスクの出会いは小学4年生の時、テレビのプロレス中継でした。
<PUKUPUKU工房 神谷さん>
「初代タイガーマスクのデビュー戦があった。何の気なしに観ていたら心を吸い込まれて『お、なんだこれ?』という衝撃を受けて、そこからプロレスにぐっとハマりました」

中でもマスクに魅せられたという神谷さん。最初は紙袋に穴を開けるなどしてマスクを作っていましたが、小学6年生のときには本格的なマスク作りに挑戦し、30年後、それが神谷さんの本職となりました。
<PUKUPUKU工房 神谷さん>
「選手の喜び、満足度を高めるのは最低限のミッション。被った時に格好いいのはもちろん、入場のとき、これから試合が始まるファンのボルテージをあげるための、ワクワク感を作るマスクではないといけない」
マスクのことを「立体造形」だと語る神谷さんは、この技術を次の世代へとつなげようと東京でスクールを始めました。すべて手作り、世界に一つだけのプロレスマスク。神谷さんは一枚一枚思いを込めて仕立てます。
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