
"厄介者"のウニを育てて「おいしいウニ」へ 豊かな海の復活を目指す水産会社の挑戦=静岡・伊東市【SDGs】

海の中から海藻が消える「磯焼け」の原因とされるウニを活用しようと、静岡県伊東市の水産会社が立ち上がりました。厄介者とされてきたウニを新たな地域資源へと変えて、豊かな海の復活を目指します。
■「海の厄介者」ウニによる食害

<三浦水産 三浦大輔さん>
「こちらがムラサキウニになります。だいたい今、弊社の水槽で800個くらい泳がせています」
鮮魚の販売や卸売を手掛ける伊東市の水産会社です。初夏から最もおいしくなるムラサキウニですが、「海の厄介者」としても知られ見過ごせない事態です。
<三浦さん>
「磯枯れ(磯焼け)という問題で特に海藻に関連においては、結構影響を受けて、だいたい10年ぐらい前と比べると、アワビなんかはもうほんと10分の1ぐらいまで減っちゃって、もうほとんど採れないような状態」
海の中から海藻がなくなる「磯焼け」。藻場をすみかにしていた魚が減ってしまうなど、海の豊かさを脅かす深刻な問題となっています。
その原因の1つとされているのがウニによる海藻の食害です。
<三浦さん>
「海水温の上昇によって海藻が育ちにくい環境になってしまった。その状態でウニが捕食してしまうと余計海藻がなくなってしまう」
■厄介者のウニを「畜養」へ
藻場の再生のため、ウニの駆除が進む一方でそのまま捨ててしまうのはもったいないと考えた三浦さん。
新たな収入源にしようと県水産・海洋技術研究所などの協力を得ながら、いけすで育てる「畜養」に乗り出しています。2027年から本格的に進める予定ですが、まず取り組んでいるのはウニのエサづくりです。

<三浦さん>
「これが海藻100%で作った人工餌になります」
Q. エサづくりは難しいですか。
「そうですね、かなり時間もかかりますし今後もうちょっとウニが食べやすい形状も研究しながら作っていく必要があると思います」
■老舗ホテルの総料理長も期待を寄せる
エサの品質や採算性など、課題は山積みですが、ウニの畜養に期待を寄せる人がいます。
<川奈ホテル 窪田豪総料理長>
「濃厚でクリーミーで甘みがあって香りがすごくいい」
三浦さんのウニを絶賛するのは静岡県伊東市の老舗ホテルで総料理長を務める窪田豪さんです。
<窪田総料理長>
「地域の資源を使っての活用、地域の活性化ということを考えたら、とてもいい取り組みだと思いました。料理で静岡、伊豆のウニということを広めていけたらなと思っております」
<三浦さん>
「結果的には磯枯れ(磯焼け)という問題が今の一番重要な課題なんだよっていうところを、ちょっと頭の片隅におきながら食べてもらえるとうれしい」
厄介者のウニを「おいしいウニ」に。豊かな伊豆の海を未来へつなぐため三浦さんの挑戦は続きます。
8月には早速、東京都で行われるシーフードショーにウニを出展予定です。
三浦さんによると、ウニ=伊豆のイメージをどう作っていくかが課題で、将来的にはブランドウニを目指して、ふるさと納税の返礼品登録を目指すということです。
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