2024年8月10日
SBSラジオ IPPO

地震など大規模災害時にコンビニが頼れる!?「災害時帰宅支援ステーション」とは?

コンビニと自治体の間で結ばれている「帰宅困難者支援協定」

大きな地震で公共交通機関がストップすると帰宅困難者が多数発生することが予想されますが、実はコンビニと自治体の間では「帰宅困難者支援協定」が結ばれています。


Yahoo!ニュース エキスパートのクリエイターで、コンビニブログ「コンビニ・サラリーマン総研」管理人、年間1,000個のコンビニ新商品を食べる男、キャプテン福田さんに、SBSアナウンサー影島亜美が「災害時のコンビニエンスストアの役割」について聞きました。

※イメージ

参加店に貼られる「災害時帰宅支援ステーション」ステッカー

福田:全国津々浦々にネットワークを張り私たちの生活インフラのひとつといっても過言でないコンビニエンスストアですが、災害発生時に地域の支援を担う機能があることはあまり知られていません。

大きな地震で公共交通機関がストップすると帰宅困難者が多数発生することが予想されますが、実はコンビニと自治体の間では「帰宅困難者支援協定」が結ばれています。

参加している店舗には「災害時帰宅支援ステーション」というステッカーが貼られ、地域に点在するコンビニや外食チェーンが水道水やトイレ、道路情報の提供といった支援を行うことが自治体との間で決められています。


影島:なるほど。東日本大震災の時、首都圏で帰宅困難者が多く発生し、直接的な地震の被害以外にも私たちの生活が崩れていくんだなと実感しました。

福田:1995年1月の阪神・淡路大震災野際も交通機関が途絶えました。そんな状況下では「通勤や通学者、観光客を速やかに避難させるための支援が何よりも欠かせない」という教訓に基づき、こうした取り組みが始まりました。

影島:では早速コンビニ各社のそれぞれの特徴について教えてください。

セブンイレブン

福田:セブンイレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスの広報は「私たちは多くの自治体と災害時の物資支援協定を結び、要請があれば可能な範囲で水や食料などの支援を行う体制を整備しています」と言っています。

2017年7月にはグループ3社が災害対策基本法に基づく指定公共機関に指名されました。グループのひとつであるイトーヨーカドーの店舗では災害対策コーナーの展開や地域防災活動への協力、防災イベントの開催など平常時にも地域行政と連携し意識啓発に取り組んでいます。

影島:災害時の物資の支援体制の整備まで担ってくれるのは心強いですね。

ファミリーマート

※イメージ

福田:全国の都道府県と災害支援協定を結び、自治体からの要請に応じておむすびやパン、飲料水などの食料品、下着やタオル、軍手などの日用品を物資として提供することを定めています。

大きな地震を想定した災害発生時にすべきこと、発生に備えてすべきことがまとまったファミリーマート緊急時行動要項が店舗スタッフに配布され、いざというときの避難場所や緊急連絡先の確認なども個店ごとで活用できるようになっています。

ローソン

※イメージ

福田:全都道府県での店舗展開やフランチャイズチェーンの強みを最大限に生かして、平常時、災害時問わず人々の生活基盤を支え続けることで安全安心拠点になることを目指しています。特徴としては、店内に調理スペースを設けたまちかど厨房を9,200店舗展開していることが挙げられます。

物流がストップして在庫が入ってこない状況でも店内にストックした材料を使ってできたてのフードを出せます。お弁当の具材がなときは災害時のメニューとして税込み100円の塩飯おにぎりを提供するオペレーションになっているそうです。

そして大規模災害を踏まえ、2015年に気象情報や道路、鉄道、警報などの情報をマップに一元化した「災害情報地図システム」を導入しました。2016年の熊本地震の際には交通渋滞を避ける迂回道路を確認することが役に立ったと言われています。商品供給をスムーズに行うための配送センター向けのシステム改善にも取り組んでいます。

影島:店内調理が災害時に活かされることが、さすが“マチのほっとステーション”だなと思いました。いざというときに近くに頼りになる存在がいるのは心強いです。

福田:安全第一で判断するという点では3社とも共通しています。ただしインフラへの被害があれば店舗運営は難しく、被災していない店舗でもお店の構造上、在庫置き場やスタッフルームを通らないといけないとなると営業をしていてもトイレは使えないという点は注意が必要です。

まずは「災害時帰宅支援ステーション」の加盟店舗を把握し、災害対策として自分にできることを対策する自助が基本だということも忘れずに過ごしてください。

影島:災害が起きてからどうしようではなくて備えておくことが大切ですね。

※2024年3月5日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。


今回お話をうかがったのは……キャプテン福田さん
ブロガー、ライター。年間1,000個のコンビニ新商品を食べる男!Yahoo!ニュース エキスパートのクリエイターで、コンビニブログ「コンビニ・サラリーマン総研」管理人。

SBSラジオIPPO(月~金曜:朝7:00~9:00)忙しい朝を迎えているアナタに最新ニュースはもちろん、今さら人には聞けない情報をコンパクトに紹介!今日の自分をちょっとだけアップデート!番組公式サイトX(旧Twitter)もぜひチェックを!
radikoでSBSラジオを聴く>

防災
暮らし

あなたにおすすめの記事

  • 災害時に客室ごと被災地に移動できる!「レスキューホテル」とは?

    災害時に客室ごと被災地に移動できる!「レスキューホテル」とは?

    SBSラジオ IPPO

    #暮らし
  • 【コンビニグルメ】南インドカレーの名店エリックサウス監修「ビリヤニ」が本格的な味すぎて「まさにお店の味」

    【コンビニグルメ】南インドカレーの名店エリックサウス監修「ビリヤニ」が本格的な味すぎて「まさにお店の味」

    SBSラジオ IPPO

    #グルメ
    #コンビニグルメ
  • 2024年コンビニ各社の傾向は!? いちごスイーツ大放出!キャプテン福田が選ぶ1/2週〜1/9週の新商品は?

    2024年コンビニ各社の傾向は!? いちごスイーツ大放出!キャプテン福田が選ぶ1/2週〜1/9週の新商品は?

    SBSラジオ IPPO

    #グルメ
    #コンビニグルメ
  •  【コンビニグルメ】売り切れ必至!! 同じ値段で大増量中のローソン「盛りすぎチャレンジ」あの名品スイーツはクリーム78%増量中

    【コンビニグルメ】売り切れ必至!! 同じ値段で大増量中のローソン「盛りすぎチャレンジ」あの名品スイーツはクリーム78%増量中

    SBSラジオ IPPO

    #グルメ
    #コンビニグルメ
  • 災害時の特殊詐欺について

    災害時の特殊詐欺について

    SBSラジオ WASABI

    #暮らし
  • 「日常生活と変わらない住環境を」災害時に避難場所や物資などの支援協力 藤枝市と東海ガスが協定締結=静岡

    「日常生活と変わらない住環境を」災害時に避難場所や物資などの支援協力 藤枝市と東海ガスが協定締結=静岡

    SBSテレビ LIVEしずおか

    #藤枝市
  • 濃厚抹茶クリームと生地のハーモニーがうれしい。キャプテン福田が注目するコンビニ新商品「和スイーツ編」。

    濃厚抹茶クリームと生地のハーモニーがうれしい。キャプテン福田が注目するコンビニ新商品「和スイーツ編」。

    SBSラジオ IPPO

    #グルメ
    #コンビニグルメ
  • 【災害ボランティア】「足湯」ボランティアも募集中!多岐にわたる能登半島地震の支援メニュー。現地はまだまだ人手が足りない!

    【災害ボランティア】「足湯」ボランティアも募集中!多岐にわたる能登半島地震の支援メニュー。現地はまだまだ人手が足りない!

    SBSラジオ ゴゴボラケ

    #暮らし
  • 【災害と流言】関東大震災発生当時、不安の中でデマ拡散…1923年の大地震から学ぶことは?

    【災害と流言】関東大震災発生当時、不安の中でデマ拡散…1923年の大地震から学ぶことは?

    SBSラジオ ゴゴボラケ

    #暮らし
  • 地震や事故など、続く災害報道を見た子どもへの接し方、心のケアは?ごっこ遊びは止めなくていい?

    地震や事故など、続く災害報道を見た子どもへの接し方、心のケアは?ごっこ遊びは止めなくていい?

    SBSラジオ IPPO

    #子育て・教育
    #メンタルヘルス
    #暮らし