2025年7月1日

サッカージャーナリスト河治良幸
Jリーグ後半戦に活躍期待の県勢イレブン

【サッカージャーナリスト・河治良幸】
”春秋制”のラストとなる2025シーズンのJリーグも折り返しの時期に。J1、J2、J3で試合の消化数に多少のバラつきはあるが、静岡県の4チームも、全国で奮闘する静岡出身の選手も、ここから前半戦以上の躍進を願いたい。今回は後半戦での活躍が特に期待できる”県勢イエブン”を筆者の視点で選んでみた。
GKは期限付き移籍中の…

ディフェンスは森岡(磐田)、鈴木海(東京V)、マテウス・ブルネッティ(清水)

ディフェンスは森岡陸(ジュビロ磐田)、鈴木海音(東京ヴェルディ)、マテウス・ブルネッティ(清水エスパルス)の3人に。森岡は昨年の大半を怪我で棒に振ったが、その間にしっかりと治療してピッチに戻ってきた。1対1の守備にめっぽう強い森岡だが、今シーズンはジョン・ハッチンソン監督が掲げる”アタッキングフットボール”に向き合ってビルドアップの習得に努めている。復帰後はルヴァン杯からのアピールになったが、最近は3バックをオプションとして導入しており、終盤に守り切るためのカードだけでなく、スタメンでのチャンスも増えていきそうだ。

磐田のアカデミー育ちである鈴木は栃木SCで武者修行を積んだ経験はあるが、今回は完全移籍という形で、J1屈指のセンターバック王国でもあるヴェルディで新たな挑戦をスタートさせた。しかし、なかなか城福浩監督の評価高めることができずに、ベンチに入ったり外れたりを繰り返していた。実際ここまでJ1でのプレー時間はアディショナルタイムを除き、たったの30分となっている。しかし、古巣対戦となった天皇杯2回戦の栃木SC戦で得点を決めるなど、3-1での勝利に大きく貢献。ヴェルディは主力だった千田海人が鹿島に移籍したこともあり、前半戦よりチャンスは増えるだろう。そのチャンスを掴めるかどうかは鈴木次第だ。
マテウス・ブルネッティは6月の特別労録期間で清水に加入すると、6月15日のガンバ大阪戦で Jデビュー。21日のアウエー名古屋戦では3バックの左でスタメン起用されて、ビルドアップや相手のキーマンであるマテウスとのマッチアップなどで存在感を見せた。Jリーグの守備的なポジションで、新外国人がすぐにフィットするのは簡単ではないが、ブラジル出身ながらスロバキアで経験のあるブルネッティは早くも適応力を見せており、周囲との連携面がよくなれば、さらに中心的な選手になっていきそうだ。
アウトサイドは山原(清水)&シマブク・カズヨシ(藤枝MYFC)

ボランチは渡邉(沼津)&植村(磐田)

植村は昨年、大卒ルーキーながら当時の横内昭展監督から守備の強さと攻撃に関わるセンスを買われて、J1だった磐田の右サイドバックで主力に定着した。ハッチンソン監督になってからもチーム事情から右サイドバックを担ったが、ボランチで勝負したいという思いは常に公言しており、徐々にその状況が整ってきたところで負傷してしまった。レオ・ゴメスが京都サンガに移籍し、現在は中盤の主力である中村駿が離脱中で、本職の選手は上原力也、金子大毅、天皇杯でデビューした高校2年生の西岡健斗の3人しかいない。夏の補強ポイントにもなりうるだけに、ここから順調に復帰してアピールできるか。
2シャドーは榊原(藤枝)&渡井(柏)
2シャドーは新天地での救世主的な働きが期待される榊原杏太(藤枝MYFC)とJ1の優勝を狙える柏レイソルで、2シャドーの主力に定着している渡井理己のセットになった。俊敏なテクニシャンである榊原は静岡市の出身で、清水のジュニアユースから名古屋のユースに移った経歴がある。清水との練習試合(県J4クラブ強化トレーニングマッチ)では右のシャドーでテストされており、後半戦チャージの起爆剤として大きな期待がかかる。富士宮市の出身で、静岡学園でスキルを磨いた渡井は徳島時代からの恩師でもあるリカルド・ロドリゲス監督のもと、小泉佳穂と魅力的な2シャドーを形成している。攻守にわたる存在感は素晴らしいが、1得点1アシストという結果はポジションを考えると物足りない部分もある。チャンスの起点になるだけでなく、シュートを狙っていく姿勢はもっと必要だろう。1トップは千葉(清水)
タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。サッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。世界中を飛び回り、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。
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