
【全文掲載】「検察の捜査に全てお任せしたい」辞職と出直し出馬表明 疑惑の田久保伊東市長が語ったこと=静岡

学歴詐称疑惑をめぐり、静岡県伊東市の田久保真紀市長が7月7日夜、会見を開き、自身の進退などについて説明しました。会見の全文を掲載します。
<伊東市 田久保市長>
この度は、私の学歴に関する問題で、たくさんの市民の方々、そして関係者の方々、皆様方に本当に大変ご迷惑をおかけいたしました。そのことにつきまして、まずは改めまして、深くおわび申し上げたい。そのように思っております。本当に申し訳ございませんでした。
<司会>
はじめに、田久保市長からこの記者会見を開いた趣旨についてお話しいたします。市長よろしくお願いします。
<田久保市長>
まず6月以降の私の状況を踏まえまして、今回の記者会見で私から市民の皆様にお伝えすることは4つあります。まず、私の東洋大学卒業の学歴について、それから私の卒業証書に関する今後の調査等について、そして私の市長としての進退について、そして再度の市長選立候補についての4つをお話ししたい。そのように思っております。
<司会>
1、市長の東洋大学卒業の経歴についてお話しください。
<田久保市長>
着座にて失礼いたします。まず私の東洋大学卒業の経歴につきまして、御説明を申し上げます。結論から申し上げますと、私は東洋大学の方を卒業はしておりませんでした。大学の記録においては除籍ということになっております。
除籍になった日付につきましては、在学期間証明書を取り寄せまして、土曜日に到着いたしました。そちらの方によれば、1992年3月31日となっております。市の広報伊東に東洋大学法学部法学科卒業と記載されておりました件につきましては、それが事実に反する記事であるということを認めたいと思います。この広報につきましては、担当課で記事を作成するにあたりまして、私の方に確認があり、卒業という記載をすることを認めておりました。それは私が6月28日の日に東洋大学の教務科窓口に出向きまして、除籍であるという事実を確認するまで、私が卒業をしていると考えていたからです。
<司会>
2、市長の卒業証書に関する今後の調査等について報告をお願いいたします。
<田久保市長>
私の卒業証書に関します、今後の調査等についてをお話しいたします。この卒業証書につきましては、卒業アルバム、そして在籍期間証明書、そして私の上申書とともに、静岡地方検察庁へ提出することに致しました。卒業証書の方は検察で捜査の対象として調べていただきます。よって、卒業証書の調査等についての結果は、検察の捜査に全てお任せしたい。そのように考えております。
<司会>
3、市長としての進退についてです。市長お願いします。
<田久保市長>
私は地検の方に上申をいたしました後、必要な手続等を終えましたら、速やかに辞任をいたしたい、そのように考えております。私から地検の方に上申をするためには、手続きとそれから書類の作成とそれなりの期間が必要となるかと思うんですが、これは可及的速やかにできるだけ早く行いたい、そのように思っております。その間、並行しながら市民の皆様に御迷惑がかからないように、市長としての仕事をしっかりと行い、そして引き継ぎや事務等も行ってまいりたい。そのように考えております。ですので、地検への上申が済みましたら、極めて短期のうちに辞任をする。そのように考えております。
<司会>
4、では市長の再度の市長選挙立候補について移ります。
<田久保市長>
一度、そういった形できちんと辞任もしまして、自分の進退を決めさせていただいた後に改めまして、市民の皆様の御判断を仰ぐために、私は再度、市長選挙の方に立候補したい。そのように考えております。
<司会>
御出席の皆さま、以上が市長からの報告と表明になります。ありがとうございます。その他につきまして、市長からお話があれば、ここでお願いいたします。
<田久保市長>
市民の皆様、それから関係者の皆様には本当に多大なるご迷惑をおかけ致しました。もう一度、再度、本当に申し訳なかったということでおわびをしたい。そのように思います。本当に申し訳ございませんでした。ただ、私といたしましては、皆様の気持ち、伊東を変えたい、伊東を変えていくんだという気持ち。その気持ちで私を選んでいただいた。そこに対しては、最後まで私にできる全ての方法をかけて、お答えしていきたい。そのように考えております。決断に至るまでには悩みもございましたが、今はこういった形で自分の進退を決め、もう一度皆さんと一緒に伊東を変えていくために誠心誠意進んでいきたい。そのように考えております。以上でございます。
弁護士からの説明は…
<司会>
では、次に弁護士の福島正洋より補充の説明をさせていただきます。
<代理人の弁護士 福島正洋弁護士>
田久保氏の代理人の弁護士の福島と申します。私からは先ほど申した検察での捜査の対応について、補充的な説明をさせていただきたいと思います。現在、市民の有志の方々から公職選挙法違反で刑事告発されたという報告を受けております。
そうすると、本件は刑事事件ということになるわけなんですけども、関連する重要な証拠物として、東洋大学の在籍証明書、卒業アルバム、それから卒業証書とこの3点があるわけなんですけれども、現在これは私が弁護士の職責として私の事務所への金庫で保管をしております。これはもちろん流出したりとか、万が一紛失したりすることがあってはならない。
そういうことで、私が田久保氏から委託を受けて預かっているものです。これは刑事訴訟法の規定に従って今後は検察官が管理するのが筋だろうと判断しました。これを例えば隠してしまったりとか、破棄してしまったりとかということは当然許されるものではありません。あえて言うと、弁護士が委託を受けて依頼者の利益のために預かっている証拠物というのは、刑事訴訟法上捜査機関から押収されない権利というのがあります。これは絶対出さないということで、私が突っ張ってもよかったんですけれども、それよりはあえて全て正々堂々と検察官の方に提出をして、司法の判断に委ねるのがいいんじゃないだろうかということを田久保氏と話し合って決めたことになります。
検察庁への提出時期ですけれども、検察側の意向とか予定も確認した上で行うんですが、そう遠くない時期、大体10日から2週間以内には行いたいと考えております。一旦以上です。
記者からの質問「卒業証書」について
<司会>
では、市長に対する質問、挙手をお願いいたします。
<記者>
まず確認したいのは書類です。先程の卒業証書の。まず市長にお伺いしたいのは、本物であると市長は胸を張って言えるんでしょうか。
<田久保市長>
はい、ありがとうございます。私の中では本物であるというふうに思っておりますけれども、大変残念ながら、今私の方で、それを本物だというふうに証明するための卒業証明書等がとれませんので、こうなった以上はきちんとした捜査機関の方にお調べをいただいて、その結果を待ちたい、そのように思っております。
<記者>
つまり、卒業していなかったのに、卒業証書を提出するというのはやっぱり理解しづらいですよね。それは自分で作ったのか、他の人が作ったのか、あるいはどういうことで、その書類というのを田久保市長が手に入れて、それを議長に見せたのか。それは説明できるはずですよね。ご自身の話だから調べるとか、どういった文書だったんですかね。
<田久保市長>
文書というのは、つまり卒業証書だったかということですよね。卒業証書でありました。前回の会見でもお話を差し上げましたが、だいぶ前の30年前ぐらいのことということもあるんですが、もう正直に申し上げて、それをどのように手にしたのか。要するに郵送で送られてきたのか、それとも学校に取りに行ったのか、誰かお友達と一緒に行ったのかというのは、もう記憶が曖昧でございますので、そうなりますとこれはきちんと捜査機関の方に全てお調べいただいて、その結果を見ることが一番真実に近い形が市民の皆さんにお示しできるのではないかとそのように考えました。
<記者>
つまり、本物である可能性もあるというふうに、御自身は信じていると。除籍だとしても。
<田久保市長>
はい、私の方は本物であると思いまして、各方面と言いますか必要であると思った方にお見せしております。
<記者>
たびたび同じ質問をして恐縮なんですが除籍されていて、卒業していなくても、それは卒業証書だというふうに思う根拠というか、もしご自身が例えば大学から送られてきたんだって言うのであれば、大学から送られてきたというふうに言うべきですし、選挙をまた一旦辞職して出るとしても、この部分がやっぱりテレビとか新聞読んでいる人とか、市民の人たちに一番の不信感というか、私たちは伊東を変えてくれると思って信じてたのに、そういったところで、もしかして嘘をついているのではないかって思われてしまっている、一番の大きな根拠だと思うんです。そこはちゃんと今ご自身で説明をすべきではないですか。
<田久保市長>
まず、ちょっとさかのぼりで申しわけないんですが、私が東洋大学の教務課の窓口に直接出向いたのが6月28日の土曜日でした。その時は証明書は1週間ほどかかりますということでいただけなかったんですけれども、どういった結果なのかということでは除籍であるという結果をいただきました。
その時にですね。初めて私が自分が除籍であるという事実を知りました。つまり、その6月28日までは、自分自身が除籍という立場にあるということを把握しておりませんでしたので、卒業証書についてもそういう意味では持っていても、何も不思議ではないのかなというふうに思っていたのは事実でございます。
ただですね。もう、このような事態になってしまうと、もう私自体もどのようにして市民の皆様にこれが本当に本物なのか、またはもしかして偽物という可能性もあるという風に言われているのは承知しております。ですけれども、もう私の方でただ言葉を重ねて、これは私が本当に本物であると言ったところで、もうそれは確かな裏付けのない言葉だけのことになってしまいますので、それでしたらきちんと警察の方に提出をして捜査をしていただいて、警察の方にきちんと結果を出していただけたらどうだろうかということで、私の方でそのように決めさせていただきました。
「記憶がないのはおかしい」と聞かれたら…
<記者>
検察からも田久保市長、それはあなたの記憶がないというのはやっぱりそれはおかしいんじゃないですかって絶対に聞かれると思うんです。捜査機関から。そのとき、市長はどのようにお答えする予定ですか。
<田久保市長>
先ほど申し上げたとおり、自分の中では正直に申し上げる。そのように考えております。
<記者>
次に弁護士にもお話を伺いたいんですけど、「見せられたときは本物のように感じたので、公職選挙法違反には私はならないと思います」というふうにおっしゃいましたけれども、さまざまな弁護士さんに聞くと、公職選挙法違反になる可能性もあるんじゃないかという指摘もあったりするので、逆にお聞きしたいんですど、今改めて今の状況であれは本物だった、偽物だったと、どういうふうに評価しているんでしょうか。
<福島弁護士>
まず、そもそもこの除籍になった理由がよくわからないんですね。私がまず在籍証明書は見ているんですけれども、それは4年間通っていて、4年生の卒業する年の3月31日に除籍になっておられます。何でそういうことになったのかはわからなくて、なにかあったのは間違いないと思うんですけれども、どんなシチュエーションでそうなったかということにもよるんじゃないかと思っていまして、卒業証書がもう一方ではあるわけなんですよね。
ではなんでいうことになったからというのが、やはり除籍になった理由と関連しないとちょっとわからないと私は思っていまして、ただ目の前に卒業証書と在籍証明書、4年間の証明書があることという事実は間違いないんですよ。それは私が保管しているんですよね。
なのでちょっと今の時点で、ではこれはどういうことなのかと聞かれても本当わからないというのが正直なところです。なので今は捜査機関の手にに委ねているとということになります。ただ、私の目から見て今のところあれは偽物とは思っていないんです。
<記者>
幹事社から最後の質問なんですけど、もしそれが偽物であった場合、公職選挙法違反、文書偽造等の罪に問われる可能性もないわけではない。そのときに新しくもう一回辞めて選挙に出るということは可能だと思うのかということと、そういう状況で市民にどういうふうに思うと感じていらっしゃるか聞きたいんですけども。
<福島弁護士>
もう一回立候補する、しないは田久保氏に任せますけれども、法的には、もしそこが先に検察官の調べによっていろいろうそが明らかになったりしてしまって、かつ起訴され、裁判になりましたと、有罪になりましたとなってしまったら、それが出る資格はないと思います。
<記者>
市長はどうですか。別に意地悪言っているわけではなくて、率直にお話しを聞きたいんですけれども。
<田久保市長>
はい。正直に申し上げて私としても検察に調べていただくというのは勇気のいることでもあったんですけれども、でも本当に市民の皆さんに真偽をお示しするには、もう私にはもうこの手段しか残っていないと思いまして、決断しました。確かにその前に起訴されるようなことがありましたら、これはもう立候補して皆さんの御審議を受ける資格はございませんので、そのようなことが判明いたしましたら、立候補はしないというふうに決めております。
辞任のタイミングは…
<記者>
10日から2週間以内に証拠を検察庁に提出。検察庁は静岡県沼津支部に提出して、それから速やかに辞任する、こういうことは、2週間後くらいには辞任される。そういうことでよろしいですか田久保市長。
<田久保市長>
事務手続きの進み具合はもちろんあるんですけれども、できるだけ速やかにそういった形になるように、私の進退が示せるようにしていきたいと思っております。
<記者>
辞任した後に当然、それから50日以内にですかね。市長選になるかと思うんですけども、そこに再度出馬するということが、まず疑惑が晴れてから立候補するというのが普通かと思うんですが、なぜその前に後なのかわからないですが疑惑の晴れる前から立候補されるか。その辺についてお聞かせください。
<田久保市長>
私の進退を決める上で、もう一度その出直しという形で選挙に出るということについては本当に葛藤もございましたし、悩みました。皆さんとの会話の中で直接たくさんのお叱りもいただきましたし、たくさんの励ましも、それから何やってるんだということもいただきました。
それはメールであったり、SNSのメッセンジャーであったり、本当にたくさんいただいたんですが、やはりその中で私たちが伊東変えたいと思って行動した思いを無駄にしないでほしいと。そのような意見が多数ありました。私もここにつきましては、本当に今回は私の不徳の致すところでこのような結果になっているんですけれども、ここはやはり責任を持って皆さんの思いに応えて審判を受けるべきである。そのように考えて決断するに至りました。
<記者>
先ほど辞任を表明されましたが、具体的に辞任を心の中で決めたのは、いつ頃になるのかということと、これまで進退について明言を避けてきた中で、7月7日に急遽辞任を表明した、きっかけになった出来事や議会の動きとか何かあったんでしょうか。
<田久保市長>
直接のきっかけでこれがあった、というわけではないんですけれども、直接いろんなお世話になった方ともできるだけ会ってお話をしたりというのがありました。それからたくさんのメッセージいただいたり、メールをいただいたりというのを一つ一つ悩みまして、全部には本当に回答できなかったんですが、そういったものも拝見しました。その中にあって、徐々に私の決意が固まっていったというのが正直なところであると思います。
<記者>
当初はやはり議会だけの動きだけを見ている中では「辞任するつもりはなかった」というふうに考えて、市民の話を聞く中で心変わりがあったということでしょうか。
<田久保市長>
やはり一つの私の節目になりましたのは、大学の窓口で、まず除籍であるという事実を知ったところ、そこも節目にはなっております。そこから私はどのように振る舞うべきなのかということは常に考えてまいりました。その中にあって、7月7日議会が確かに閉会したということもございますので、議会の結果というのも重く受け止めなければいけない。その中で私自身の決断としてそのように思いまして、皆様の方にお示しをさせていただいたそのような次第でございます。
<記者>
地検への上申を決めたということで、この流れになった理由に関しては田久保市長ご自身がここの記者会見で説明しきれないため司法の場に移すという考えですか。
<田久保市長>
はい、私の方でこれは本物である。例えば、これは私はそう思っているという言葉を幾ら重ねましても、それ以上のものにはなりません。それでしたら、勇気のいることではありますけれども、きちんと捜査対象として地検の方に提出しまして、地検に判断を仰ぎたい。そのように考えて、このような決断に至りました。
<記者>
田久保市長は現在も自分が持っているそれが本物だというふうに考えているということですか。
<田久保市長>
本物であるということに不自然さは感じずにきておりますので、今の段階ではそこの部分についてしっかり自分がどう思うかではなくて、第三者のきちんとした捜査機関に調べていただいて、その結果を自分で受け止めたい。そのように思っております。
検察に捜査を委ねると分かることは?
<記者>
まず、弁護士の先生に伺いたいです。検察に捜査を委ねるということなんですけども、具体的に何がわかるんですか。本物か偽物かわかる。もしくはその人がいた時期がわかる、何がわかってくるんでしょうか。
<福島弁護士>
検察が調べることっていろいろあると思うんですけど、やろうと思えば、例えば、診断の関係なんかはできるんじゃないかと思いますけど。それも含めて、検察が結局、捜査全体を行った結果、この事案自体を起訴するかどうか決めるわけですので、自信があればそうするでしょうし、あとは裁判官の手に委ねて有罪無罪を決めることになるかと思いますので、何か一つのことを調べる調査するというよりも、総合的に全体として白黒決着をつけるという意味かと思いますが。
<記者>
田久保市長が何もわからない中で、そういったものは明らかになってくるものなんですか。
<福島弁護士>
それを言ってしまうと、では他にどこの組織がそれができるかという話もあるので、やっぱり一番証拠物の扱い等が慣れているのは検察官だと思います。あともちょっと補足すると、既に刑事告発されているという情報が入っておりますので、そうすると、結局そっちが嫌だといってももう刑事事件になっちゃっているわけなので、そうするとこの証拠自体はこの刑事事件の重要なポイントになりますので、出さざるを得ないだろうと。さらに言うと私が押収拒絶権を徹底的に行使して、もう何が何でも渡せないというふうに守ろうかという提案もしたのですけれども、まあそれよりは、そういうことはしてほしくないということでしたので、いさぎよく検察なり委ねようということになりました。
<記者>
田久保市長に伺います。田久保市長は卒業していたと思っていたという認識ですが、その卒業証書というものは今メディアで1992年の現物本物だ、というものが出ていると思います。それと比較して同じですか。違いますか。どうでしょう。
<田久保市長>
あの言い訳を言うわけではないんです。すいません私はその本物だっていうものを見ておりませんので、それはちょっとコメントが今できません。
<記者>
それはこの場で見ればわかるものですか。例えば。
<田久保市長>
持ってきていただいているんでしょうかね。ただですね。もう私はそれも含めまして、全てきちんと検察の方で判断をしていただきたいと思っております。やはり有罪か無罪かという今お話がありましたけれども、そういった形できちんと判断できるのは、もう今は検察しかないというふうに考えておりますので。私の感覚の中で、例えばそれが本物であるとか、偽物であるとか、そういった発言をこれ以上するということは、やはり事態に混乱を招きますし、まず市民の方が一番納得できる答えというのを出せるのは私は検察ではないかと。そこの捜査をみずから受けることではないかとそのように考えております。
<記者>
御自身でご発言を控えるということですね。検察に委ねて。見てわかりますよね。例えば見たらこれがそうだ。偽物だ。私のと違う、違わない。それを判断できると思うんです。それはどうなんでしょう。
<田久保市長>
はい。ここずっとそういったやり取りが続いてきました。偽物であるとか本物であるとか、例えば本当は知ってたんだろうとか知らなかったんだろうとか、例えばそのちらっとを見せただけだとか、私の方はそのようなつもりは全くなくて、しっかり見せたつもりでおりました。
もうこのようななんというか不確定なやりとりを続けること自体が、私はこれ以上は市民の方は望んでいないとそのように判断しますので、そういった形での解決ではなくて、もうしっかりとした解決、きちんとした結論が出せる。その最もふさわしいところにその結論を委ねたい。そのように考えております。
市長選で調査票を書いたのは誰
<記者>
私たち報道陣に調査票を書いていただきました。あれは本人が書いたものですか。田久保市長ご自身が書かれましたか。
<田久保市長>
はい。私自身というよりは、確かにあの時選挙でしたので、後援会のスタッフの方に作成は確かにしていただいております。
<記者>
ではご自身は書いたわけではなく見ただけということで、確認しただけということでよろしいですか。
<田久保市長>
はい、ちょっとどの調査票、全てがそうなのかって言われるとちょっと出していただかないと確認取れませんけども、私の中ではもう選挙で飛び回っておりましたので、何人かいるスタッフが書いてもらったものを私の方でチェックして出したという形になっています。
<記者>
確認ですが田久保市長自身が書いたものではなくて、スタッフが書いて全て確認したかどうかわからないけど、そういったことをやったってことでよろしいですか。
<田久保市長>
はい。それで間違いないと思います。
<記者>
報道の中では、田久保市長は卒業していたというような知人の声もあります。あれはどのように判断というか、私たちが受け止めればよろしいでしょうか。
<田久保市長>
私、残念ながらその報道を見れなかったんですけれども、そのようなことがあったということは聞いております。先ほども申し上げたんですが、やはり卒業していた、していないも含めまして、例えば友人であったり、いろんな方から出るもの全てがそういったもので不確定なもので、今揺れ動いております。そういったこと自体を収拾をつけるためにも、一度検察の方にお願いするということを選んだということになります。
<記者>
辞任を決断されて再選挙ということですけれども、現状、やはり市議会との軋轢はすごいと思うんですが、その中であえて再選挙に打って出て、もちろん当選を目指していくということだと思いますが、その中で果たしてまた市議会との2元代表制の中でうまく市政運営が進めていけるのかどうかというのもちょっと疑問なんですけれども、そこら辺についてはいかがでしょうか。
<田久保市長>
はい、もうご指摘のとおりかなということではあります。ですが、そのご指摘いただいた議会との関係も含めましても、この問題に対して今後対処していく覚悟なしには再度の立候補はないというふうに考えておりますので、これからの議会との向き合い方というのはもちろん考えてまいりますが、そういったことも含めて全てを覚悟して、今回は出馬するとそのように決めました。
<記者>
5月の市長選で予算で3,000万円近く計上していますけれども、今回、改めて出直し市長選ということになりますと、市長も費用も批判されていたかと思うんですけど、新たにまた費用がかかるというところはどういうふうに考えてよろしいでしょうか。
<田久保市長>
大変申し訳ございません。私が選挙の費用がかかることを非難していたということですか。
<記者>
前職の候補の方に対して3,000万円近く選挙費用がかかるということ、また今回出直し市長選をされると、また費用がかかりますけれども、それに関して市民の方にどういうふうに説明をされていくのか、審判を仰ぎたいという話もありますけれども、そのあたりをどういうふうに感じていますか。
<田久保市長>
すいません、ちょっと前段の部分が。私が批判申し上げたという形ですか。
<記者>
失礼しました。今回、見直し市議選ということになると、まず同様の選挙費用がかかるわけですけれども、それに関してはご自身はどういうふうに考えてらっしゃるんでしょうか。適切だと考えてらっしゃるんでしょうか。
<田久保市長>
それに関しましてはもちろん、立候補を決めるにあたって考えた部分ではあります。ですが、今回はそれも含めまして、先ほどの議会との関係、それから今後、私がどのような地検からの判断を受けるかということも含めまして、全てを含めまして、私はもう一度、やはり市民の皆さんの審判を仰ぎたい。そのように考えて決断するに至りました。
時間稼ぎのように感じるが…
<記者>
先ほど代理人の先生の回答の中に裁判になって有罪になった場合は出直し選挙に出馬しないというお話でしたが、現実的には検察の捜査は非常に時間がかかるものですから、ある意味うがった見方をするならちょっと時間稼ぎのように感じてしまうんですけれども、その点についていかがでしょうか。
<田久保市長>
いろんな方のアドバイスを受けながら、今回、あらゆる方法を考えましたけれども、私の中で一番皆さんに納得いただけるというか、先ほどのお話ではないんですけれども、例えば言った言わないですとか、私はこう思うとかこう思わないといったことの不確定要素を全て取り除いた部分でしっかりとした結論が出せる方法はもうこれしかないとそのように考えております。
<記者>
現実問題として上申してすぐに出馬された場合、おそらく市長選挙は捜査の最中に行われると思うんです。仮にその後、当選されたとしても、結論が不確定のまま市長を続けられるということになると思うんですが、それはある意味、白黒つくまでは出直して続けたいということですか。
<田久保市長>
どういった時期にどういった形で、その私に知らせが届くのかというのもわからないんですけれども、その過程の中で私が知り得る情報については全て包み隠さず、市民の皆様にもすぐにお知らせしたいとそのように考えております。
<記者>
続けて、代理人の先生にも同様に伺いたいんですけれども、現実的に検察の捜査に時間がかかると思います。市長選とタイミングですね。どのように見ていますか。
<福島弁護士>
選挙のことは、私は直接絡んでいないのであまり言えないんですけれども、印象としては最初はそれで捜査中に立候補して受かるのかい、という気はしました。それは本人がそこまで含めて公表した上で、あえてもう一回民意を問いたいと言っているので、まあしょうがないかなというぐらいの感覚です。
<記者>
もし当選した場合、立て直して通った後に有罪が確定したような場合は、どうなんでしょうか。選挙結果というのは。
<田久保市長>
もちろんそれも考えなかったわけではないんですけれども、何度も申し上げるんですけども、全ての要素を含めまして、私自身が決断するという形でこの道を選ばせていただきました。
<記者>
ちょっと細かい手続的なところを伺いたいんですが、検察の方に上申をされるというのは、具体的に例えばこういう内容の上申書を出しましたという具体的にこういうことをしますというのがわかれば教えてください。
<福島弁護士>
そうですね。先ほどからも申しているとおり、すでに刑事告発されているようですので、こちらからは何というか身の潔白を主張するのではないんですけれども、これまでの経緯をそれなりに書いたものと、こういう理由で検察庁に自分から全てを委ねますというような簡単な書面をつくって、それとともに証拠を提出すると。そういうイメージを持っています。これから作成します。
<記者>
その証拠と、ある種上申書みたいなものを1通り揃えるのに2週間くらいかかるという理解でよろしいですか。
<福島弁護士>
そうですね。作るのは本当に早く作りますけれども、やはりお互いの仕事の調整とか、検察庁側の受け入れの問題もあると思うので、それぐらいを見させていただいています。
<記者>
刑事告発されたのはわかっていらっしゃるということだったので、当然検察ではなく警察の方でもいろいろ証拠集めや捜査をされるんだと思うんですが、単にそれに警察の方の捜査に全面的に協力しますよと、卒業証書と田久保市長がされているものとかですね。そういったものを諸々警察の方に証拠を出してといわれたら協力しますよという方がいいかなという気が個人的にはするんですが、検察の方にというのが何か理由があるのか。ちょっと伺いたいです。
<福島弁護士>
あえていうなら政治的な疑惑という事件ですので、もちろん警察がダメってことは全くないんですけれども、やはり検察庁の方がより専門性が高いだろうという判断をしました。
<記者>
それから田久保市長に伺います。今日の議会の方でも全会一致で辞職勧告、百条委員会の設置が可決されました。百条委員会の設置が実際に動き出す前に恐らく辞職をされて市長選に出られるということかなと思うんですが、百条委員会も設置決まりましたので、今後、百条委員会に呼ばれたり証言するとか出てくると思うんですが、それを対応されますか。
<田久保市長>
まだ議会の方から、具体的にどのような形で百条委員会、少し議案で説明がございましたけれども、どのような形でどのようなスケジュールで百条委員会が開かれますということは、まだ7月7日の議決ということもありますけれども、詳しくはまだ出てきておりませんので、その辺については私の今の時点ではその辺は議会が諮ることでございますので、それに沿ってしていくしかないのかなというふうに思っております。
<記者>
もし仮に再度選挙に出馬されて再度当選されたとしてもですね。現状警察なり、検察の捜査というものは先ほども質問がありましたが時間がかかるものであると思うので、仮に再度当選されたとしても、疑惑が晴れない状態のまま、もう一度市長とされる可能性が十分あるかなと思います。そのあとは議会としては当然不信任ということが当然考え得るわけで、そうなるとまたもう一回選挙みたいな話になりかねないんですが、そのあたり、先ほどの展開というか見通しというか。どうお考えですか。
<田久保市長>
確かにいろいろ考えました。その辺のことも。なんですけれども、今の現状を見まして、私としてはそのような状況も全て含めまして、本当に市民が議会であったり、市長を選ぶという部分で、そういった市民の意識の形成といいますか、本当にいい伊東市を変えるために行動を起こしていく。そのための布石になるのであれば、しっかりと務めていきたいとそのような結論に至っております。
<記者>
最後に1点ちょっと確認だけさせてください。その田久保市長が卒業証書とおっしゃるものに関してなんですけれども、また田久保市長の方では、少なくとも今のところは偽物だ本物だという話はされていないという現状そういうことになっていると思うんですけども、田久保市長のお考えの中で可能性として本当は卒業してるんだけど、大学側が事務手続きを誤って除籍になってしまっている、というところも視野に入れておられるのか。どうか、そのあたり、いかがでしょうか。
<田久保市長>
私以外の要するに大学の機関もそうですけれども、私以外の人がどのようであるかということを私がなんと言うか、軽はずみに判断するべきではないと思いますので、検察の方にお預けすれば、そこも含めて全て捜査の対象になってくるのではないかと私は考えておりますので、私が何か自分以外の方のことについて、またそういった大学であったり、他の組織について何かこのことで憶測のようなものを申し上げることはしたくないというふうに考えております。
検察は卒業証書の確認はするのか?
<記者>
田久保市長にお話をお伺いします。検察に今回捜査を委ねるという話ですけども、検察は犯罪行為に関しては捜査すると思うんですが、卒業証書の確認というのはするものなんでしょうか。
<田久保市長>
きちんと上申を挙げまして、検察の方とお話をしたいというふうに思っております。もちろん、全く見込みがないのにもかかわらず、ということではないと、いろいろと相談もしましたし、スケジュールの方も組んでおりますので、なんと言いますか全くそのような可能性がない中の話ではないというふうに考えております。
<記者>
弁護士の先生にもお伺いしますけども、いわば犯罪行為ではなくて、卒業証書が真偽が疑われるというところに関して検察が捜査するものだと思っていらっしゃるということですか。
<福島弁護士>
そうですね。そもそも犯罪行為の有無を捜査するのは検察であって、そのための重要な証拠として、その卒業証書が存在するわけですから、当然そこは調べられると。つまりその犯罪行為の有無から離れて純粋に卒業証書だけを調べろじゃないんですけれども、当然最初に起訴が可能かどうかという観点から調べるものだと思います。
<記者>
そして、今回の卒業証書に関しては、検察に提出するものをなぜここで見せることができないのかということをお聞きしたいです。我々にお見せいただくことによって、情報も広く呼びかけられると思うんですが、その辺田久保市長からいかがでしょうか。
<福島弁護士>
ちょっと私が先に答えてもいいですか。それはとてもお気持ちはよくわかるんですけれども、言ってしまうと、先ほど辞職を表明していますので、田久保市長はもうこの後、何の力も権限もない、ただの一般人になるわけですよね。でかつ刑事告発されていて、刑事の被疑者という一番弱い立場に転落したことになります。私はこれを守る刑事弁護人の職責があります。そうすると、これから刑事事件として取り調べられる可能性のある証拠、この重要な証拠を安易に公開することはできないと考えています。なので、きょう私はあえてこれはもう絶対持ってこないからねと。私の事務所の金庫にしまっておくからねといって、田久保市長はちょっと持ってきてぐらいの感覚だったように見えたんですが、私が弁護人として持ってくることをやめました。
<記者>
そして、田久保市長、7月7日昼にもお話を伺いましたけど、夜7時半には皆さんに市民の皆さんに正確に納得いただける内容を全て話しますとおっしゃっていました。ここまでの内容を振り返って、全て話していると。ご自身で十分だと感じていらっしゃいますか。
<田久保市長>
十分だと思っていただけるように、最大限努力してお話ししたつもりでおります。
<記者>
そして、選挙期間から振り返って、これまでご自身の行動で後悔はないですか。
<田久保市長>
私に後悔があると致しましたら、やはり市民の皆さんに非常に心配をかけたということ。それから、このまま自分たちが一生懸命、その伊東市を変えようと思って行動したことがなくなってしまうのではないかという風な気持ちにさせてしまったこと。このことについて本当に深くおわびしたいと思っておりますし、そのような事態を招いたことについては、本当に私の不徳の致すところですので、反省もしておりますし、後悔もしております。
<記者>
ありがとうございます。
<記者>
弁護士の方にお伺いいたしますけども、卒業証書を検察に委ねるということですけれども、一応、誰かしらの疑念があって委ねるということだと思うんですね。それが例えば私文書偽造なのか、公職選挙法違反の疑いがあるなら、検察ちょっと、この上申書に沿って捜査をしてくれということだと思うんですけれども、どういった法律上の容疑ですか。事案はどんなことを想定されて、検察の方にお渡しになられるんでしょうか。
<福島弁護士>
繰り返し言っていますけど、刑事告発されていますので、やっぱり公職選挙法違反ということになります。このまま何もしなければ、いずれは検察庁の方から出してくださいということは絶対言われると思うんですよね。そのときに先ほど申したように私が押収拒絶権を行使して戦うのか、もう素直に出すかと選択肢がある中で、あえて出しましょうという決断をしたということです。
<記者>
刑事告発の裏では、7月7日の告発の中では、学歴詐称という形の中で、報道機関に対する大学卒業とされるもの、あとは見せたとされる卒業証書のシーンにも含まれていると思うんですけれども、その中でやっぱり、引っかかってくるのは私文書偽造じゃないかというのはやっぱ思われるわけですよ。その辺について、上申書の中でどのように述べられるのか、もしくは述べないか。
<福島弁護士>
ちょっと、その上申書の中身に触れるのは、ちょっと私の立場からそれは控えさせていただきたいと思います。
<田久保市長>
私も速報というか、どちらかというと、人聞きのような形で刑事告訴がありましたということに聞いてるんですけれども、具体的にどのような内容で刑事告訴が行われたかというのは、実はまだ把握をしておりませんので、ちょっとそこについては刑事告訴の内容がわかりませんので、それに関連して何か臆測を招いたりですかね。間違った発言があってはいけませんので、まずその刑事告訴の内容をしっかりと見させていただきたいと思っております。
<記者>
現状、公職選挙法違反の疑いがあるじゃないかということで、自ら上申書を出してという捉え方でいいでしょうか。
<福島弁護士>
一応、そのとおりです。
<記者>
田久保市長に伺います。先ほども話が出たんですけれども、選挙期間中に報道機関に提出した調査票、それは田久保市長本人が書いたものではないということですね。
<田久保市長>
本当に申し訳ないんですが、かなり今回の出馬もバタバタとしました。決断がなにせ急だったということもありますし、もう2か月確か切るか2か月ぐらいしかない中で、恐らく皆さんも覚えていらっしゃるかもしれません。提出期限が結構過ぎた中で早く出していただけませんかという風に催促の方を受けた記憶がございます。その中で何人か選挙スタッフがおりまして、作成はしてくれていると思うんですが、必ずしも誰が書いたということは記録上残しておりませんので、ちょっとその辺は私が書いたとか誰が書いたとかっていうことをきちんとお話しするという段階ではないかなというふうに思います。
<記者>
調査票の中の記入者の欄が消されているような跡があるんですが、それはどうしてなんでしょう。
<田久保市長>
すいません、ちょっとそれは私に今聞きましたので確認しないと分かりませんけど、何人かいるスタッフの中で、そういったことがあったのかもしれません。ちょっと今、私の方で事実関係をしっかりと間違いなくお話しできるものではございませんので、また資料としてあるようでしたら、わかる範囲ではお答えできればお答えしたいと思います。
<記者>
今、画像があるんですけども、それを見ていただくことは可能ですか。
<田久保市長>
ちょっと刑事告訴されている内容にかぶるということですので、できましたら資料でいただきまして、検討させていただいてよろしいでしょうか。一応、刑事告訴されている内容であるとするならば、しっかりと調べまして、ちゃんとしたお答えをしなければいけませんので。
<記者>
資料があるんですけども。
<田久保市長>
受け取ることはできますが、ちょっとこの場でそれについての例えば真偽ですとか、このような状態であっただろうというのは、憶測の話はできませんが、それでよろしいですか。資料としていただいて、情報として提供いただければ助かります。
<記者>
文字を今ご覧になって自分の文だなという筆跡に関しては、ご自身でいかが感じますでしょうか。
<田久保市長>
すいません、ちょっとそこも不確定要素になりますので、よろしければあとで同じものを私が書いてみるですとか、その程度でしたらご協力できるかもしれませんけども、ちょっとその公職選挙法上、それがメインになって訴えられているというお話が先ほどありましたので、ちょっと不用意な発言はこの場では控えさせていただきたいと思います。
<司会>
以上で、伊東市・田久保市長の記者会見を終わります。
<田久保市長>
本日は皆様、急にお集まりいただきましてありがとうございます。この先も何かお話しできることがございましたら、きちんと皆さんにお示しをしていきたい。そのような気持ちには変わりはございません。本日は急にお集まりいただきまして、そして市民の皆様も、きっと聞いていただいている方いっぱいいると思うんですが、本当にありがとうございました。最後にもう一度おわびをしっかりとしたいと思います。私に期待していただいた方も含めまして、多くの市民の皆様、そして関係者の皆様、大変たくさんの方々にご心配、そしてご迷惑をおかけしたことを最後にもう一度謝罪したいと思います。本当に申し訳ございませんでした。
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