2026年2月3日
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制定から70年の再審法 改正の要綱案に弁護士ら「改悪だ」と猛反発...政治の力で再審法がどう変わるかに注目

裁判のやり直しについて定めた、いわゆる「再審法」の見直しについて、法改正に向けた要綱案がまとめられました。

袴田巖さんのようなえん罪被害をなくすための第一歩となる動きですが、弁護士などからは「改悪だ」などの声が上がっています。

<袴田巖さんの姉 ひで子さん>
「せめて人間を守るような法律を作ってほしい」

2月2日、袴田巖さんの姉・ひで子さんが不満をにじませたのは、再審法の改正に向けた議論の結末についてです。

一家4人殺害事件でいったん死刑判決を受けた袴田巖さんは、審理が長期間にわたり、再審請求から無罪を勝ち取るまでに43年もの時間を要しました。

再審に至る規定を定めたいわゆる再審法は不備が多いとの指摘もあり、法務大臣の諮問機関「法制審議会」が見直しについて議論を進め、2月2日に法改正に向けた要綱案をまとめました。

要綱案では、審理の長期化を防ぐため、裁判所が請求内容を調査するなどの手続き規定を新たに設けました。

最大の争点「証拠の開示」

最大の焦点となっていた「証拠の開示」については、現行の「再審法」では、弁護側が開示を求めても検察に開示の義務はなく、裁判所にも証拠を提出させる法的な力がありませんでした。

これに対し、要綱案では、裁判所が「再審請求理由との関連性や必要性がある」と認める場合のみ、検察に開示命令できる制度が新設されました。

制定されてから70年以上、一度も改正されなかった再審法。今回、歴史的な一歩を踏み出したように見えますが、弁護士からは不満や反発の声が上がっています。

「9年の空転」生んだ検察の抗告 禁止は見送り

<村山浩昭弁護士>
「えん罪被害を救済するための再審制度であるという、そっちの方向性での議論をするべきなのに、方向性を見誤って、現状維持の方向の議論が非常に強く出た部会だったと言わざるを得ない」

こう話すのは、かつて静岡地裁で袴田さんの再審開始を決定した裁判官で、今回の法制審議会のメンバーでもある村山浩昭弁護士です。

村山さんが特に指摘するのは、今回の案では「検察官の不服申し立てを禁止する」規定が盛り込まれなかったことです。

袴田さんのケースでは、再審開始決定後に検察が不服を申し立てたことで争いが長引き、再審開始の決定から実際に再審が始まるまで9年かかりました。

<鴨志田祐美弁護士>
「今回の要綱案は改悪だと言い切っていいと思います。これをバネにして、絶対にえん罪被害を受けた方が、きちんと適切に迅速に救われる法改正を、ますます進めるために全力を尽くさなければと私は本当にそういう思いです」

法務省は、衆院選後の国会で改正法案を提出する方針です。

今後の動きは

<坂口将也記者>
Q. 気になるのは今後の動きですが、どうなっていくんでしょうか?
今回の要綱案を基に、再審法を改正するかどうかの議論の場は国会に移ります。

要綱案の内容を批判する鴨志田弁護士は、『国会審議でどれだけ修正できるか』などと今後の議論に期待を寄せます。

法制審の出した結論は、えん罪被害者の支援という本来の目的からは離れたものといえそうで、今後、政治の力で再審法がどう変わるかが注目されます。

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