
解明された"国内最大級の竜巻"発生のメカニズム 温暖化で増大するリスクと今後の備え【わたしの防災】

国内最大級の竜巻は風速75メートル 甚大な被害をもたらした竜巻の正体
2025年9月、静岡県中部に甚大な被害をもたらした国内最大級の竜巻。発生したメカニズムが明らかになりました。
専門家は今後、こうした竜巻が増える危険性があると指摘しています。
2025年9月5日。牧之原市から吉田町にかけて発生した竜巻。風速は約75メートル。国内最大級の竜巻でした。この竜巻で1人が死亡、90人がけがをし、牧之原市では1300棟以上の住宅に被害が出ました。
なぜ県内で国内最大級の竜巻が起きたのでしょうか。
巨大積乱雲「スーパーセル」と「大気の河」
<名古屋大学 坪木和久教授>
「静岡県の付近ですけどそこに向かって海上から大量の水蒸気が流れ込んだ様子がわかります」

竜巻が発生する原因の1つが水蒸気。大量の水蒸気が大気中にもたらされると、積乱雲が発達します。その中でも巨大な積乱雲は、スーパーセルと呼ばれています。スーパーセルは反時計回りの強い上昇気流をもたらし、それが竜巻を生み出します。
<名古屋大学 坪木教授>
「台風に向かって大気の河が大量の水蒸気を流し込んでいた。それによって大気が不安定になって発達した積乱雲が発生し、竜巻が発生した」
当時の牧之原市周辺の気象状況を再現したシミュレーションでは、積乱雲から複数の竜巻が発生しています。
<名古屋大学 坪木教授>
「今回は特に線状降水帯という積乱雲の集団の中で1つ1つの積乱雲が竜巻を発生させるような強いものであった。このために同時に複数の竜巻が発生した」
「2回来た」目撃証言と各地で相次いだ発生
撮影をした人も複数の竜巻が発生していたと話します。
<撮影した 滝口昌彦さん>
「最初ここで撮った。海の方から。そしたらすごい突風が来たから、ここに停まっていたダンプカーを風よけにして撮っていた。そしたら今度はあっちから来たから、ダンプカーのこっち側に来て。2回来てる感じ。1回目の風が突風なのか、竜巻なのか分からないけど」

気象庁のデータによりますと、牧之原市のほかにも、掛川市で午後0時30分、菊川市で午後0時50分と午後1時、焼津市で午後1時など各地で竜巻が発生しました。
数十分の間に、複数発生した竜巻。気象庁は、竜巻の発生が予測される際、竜巻注意情報を発表しますが、的中率が低いのが現状です。
温暖化によるリスク増大 求められる「新しい視点の防災」
<名古屋大学 坪木教授>
「温暖化が進むと、大気中の水蒸気の量が増え、大気の不安定度がより大きくなる。より(竜巻の)数が増えるということは十分考えられる。(竜巻への)備えは重要だと思います」
静岡県は竜巻の発生が全国で5番目に多い地域で今後、一層の警戒が求められることになりそうです。
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