2026年3月10日
しずおかBallpark通信

​<プロ野球>楽天・堀内謙伍捕手(静岡高出)が地元で躍動 昨季10年目で開花 「コツコツ」「ポジティブ」で切り開いた道

プロ11年目を迎える楽天の堀内謙伍捕手(静岡高出)が、3月4日から地元静岡県の草薙球場で開催しているオープン戦で、元気な姿を見せている。

2015年ドラフト4位で入団し、3年目に1軍デビュー。2019年には65試合に出場したものの2021年は1軍出場なし。その後も長い2軍生活に耐える日々を送ってきた。ただ「昔からあんまり落ち込まないですね。考え込まないし」と苦労と受け止めていない。「いつか来るチャンスのために」。ひたすら「コツコツと」積み重ねてきた努力が10年目の昨季、花開いた。76試合に出場し43安打、打率2割5分6厘の結果を残した。

「一日でも長く」

草薙球場を〝ホームグラウンド〟にしていた18歳のころ、描いていた10年後の姿は今とは違う。「もっと活躍している姿をイメージしていましたね」と笑う。ただ、この先にイメージ通りになる可能性は残っている。「一日も長くやりたいので。そのためにできることをやります」と決意を示す。

昨季はプロ初を含む3本のホームランを放つなど、打撃が開花した。
「(シーズン前に)初めて腰を痛めたんです。それで自分の体の使い方を見直しました。呼吸から。そういう細かいところを見つめ直してやったら、バットが振れるようになりました。背中を常に意識するということでも動きが良くなりましたね」

感覚を試しながら

〝打撃の形〟を会得したわけではないと言う。
「日によって体の状態が違うので、いろんな感覚を試しながらやってます。ちょっとした疲れとか、今日ちょっと振れてないなという時はバットの出方だったり、体の開きだったりが変わってくるので、そういう時はこういう打ち方してみようとか。去年も自分の中ではいろんな打ち方を試しながらやってました」

苦い経験を生かす

昨季は5月16日のソフトバンク戦でプロ初本塁打が出たが、その後、背中を痛めて一時離脱。「めちゃくちゃ悔しかったです。せっかく試合にたくさん出させてもらっている中での離脱だったんで。自分から(チャンスを)逃したなぁって」。ただ、「けがを怖がって全力プレーできないのは嫌なので。全力プレーをしてもけがをしないように、ケアを人一倍やってます」と、苦い経験を生かしている。

「特徴がないのが特徴」

入れ替わりの激しいプロの世界。その中で、長く続けられている理由は何だろうか。
「特に意識してきたことはないですよ。僕はずっと『特徴がないのが特徴』だと思ってたんで。めちゃくちゃ肩が強いわけじゃないし、足が速いわけじゃない、飛ばすわけじゃない。特徴があった方が絶対にいいです。でも高校時代からそう(特徴がないと)思ってました。『俺ってすげー』と思ってたのは小学生のころぐらいじゃないですかね(笑)。周りに比べて『勝てないな』というのは(中学、高校のころから)たくさんありました。(思い当たる理由は)コツコツしかないですね」

静岡高時代の堀内捕手

フレーミングへの意識

プロ10年間で体は見違えるように大きくなった。一方で、目に見えにくい地味な努力も今の立場を形づくっている。近年、数値化されるようになった捕球技術・フレーミングに話が及ぶと引き締まった表情になり、「楽天ではあまり言われないですが、他の球団ではキャッチャーの査定(の基準)になるところがあるようです。自分は(自分の判断で)いいなと思ったので練習してます。カウントが取れたらピッチャーを助けられるし、自分も楽になる。フレーミング練習は空いた時間を使って結構やってます」と明かした。

同郷の後輩から慕われ

謙虚で温和な性格からか、同郷の後輩選手にも慕われている。
「あいつら、僕のこと友達だと思ってますよ。(日本ハムの奈良間)大己は小学生のころから知ってるし、森敬斗(DeNA)も兄貴が中学の同級生なんで。敬語なんて使わないし。気も遣わない。自分はなめられるタイプです」と気にしない。

2024年3月、オープン戦で顔を合わせた堀内捕手(左)と奈良間選手

投手との信頼関係

そうした懐の深さは、投手との信頼関係を築く上でも重要な要素なのだろう。
「普段からの会話は大事ですね。その日の調子を早くつかむこと。ピッチャーがどういう感じで抑えたいかとか、しっかり理解しながら自分のイメージも伝える。あとは褒めまくるっす(笑)。ネガティブなことは普段からあまり言わないし、思わないです。結構ポジティブなんで。落ち込まないし、考え込まないです」

約2週間後に迫った新シーズン開幕。「1試合でも多く試合に出て、活躍できるように頑張ります」と、トレードマークの笑顔で宣言した。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)
【取材後記】
オープン戦では元メジャーリーガーの前田健太投手とバッテリーを組む機会もあり「いろんな球でカウントが取れて、いろんな球が勝負球になる。すごいなと思いました」と刺激を受けていました。

静岡県に関係する野球の話題を中心に、プロから社会人、大学、高校、中学まで幅広く取り上げます。新聞記事とは異なる切り口で、こぼれ話も織り交ぜながらお届けします。時々バレーボールの話題も提供します。最新情報は X(旧Twitter)「しずおか×スポーツ」で。

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