
覚醒剤取締法違反事件の強制採尿で捜査報告書に虚偽記載 判決は「重大な違法」指摘し無罪 県弁護士会が捜査機関に抗議声明=静岡

2025年3月、覚醒剤取締法違反事件を巡り捜査機関が違法な捜査をしたとして70代の男性が無罪判決を受けました。この判決を受けて静岡県弁護士会は5月1日、捜査機関に対して再発防止を求める声明を出しました。
<静岡県弁護士会 村松奈緒美会長>
「事実と違うことを捜査報告書に記載をすることは、言い換えれば捜査の証拠捏造という風に評価しうるかと思う」
問題となった裁判は2025年3月、静岡地方裁判所が無罪判決を出した覚醒剤取締法違反事件です。
この事件では静岡市葵区に住む70代男性が覚醒剤を使用したとして2023年に逮捕・起訴されていました。
公判で被告の男性は覚醒剤の使用を認めていて、警察の強制採尿による結果、覚醒剤反応が確認されていたということです。
しかし、判決では事件に対応した警察官が強制採尿をするために捜査報告書に虚偽の事実を記載するなどしていて一連の捜査手続きは「重大な違法」と指摘、尿検査の結果などを証拠から排除して無罪を言い渡しています。
県弁護士会の村松会長は「本来は罪を犯したのであれば適正な判決を受けるべきだが、将来の違法捜査を防ぐため今回の判決はやむを得ない」などと話し、捜査機関の違法捜査について強く抗議し、再発防止を求める会長声明を県警や検察などに提出しました。
一方、静岡県警は「判決内容は承知している。法と証拠に基づく捜査を徹底するよう指導して参ります」とコメントしています。
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