
「生きることを諦めない」グループホームを立ち上げたALS患者の女性 難病と闘い生き続けて叶えた夢

全身の筋肉が徐々に痩せ、力がなくなっていく難病ALS。静岡県富士宮市に住む女性は、この病気と闘いながら、医療的なケアを必要とする人を支えるグループホームを自ら立ち上げました。生きることを諦めない強さで夢を叶えていく彼女の姿を追いました。
<看護師>
「中澤さん吸引しますね」
富士宮市にある「ケアサポート志保」。重い病気や障害により、医療的なケアを必要とする人を支えるグループホームです。立ち上げたのは、清しお子さん。
2014年、原因も根本的な治療法も見つかっていない難病・ALSと診断されました。発症すると、やがて人工呼吸器をつける選択を迫られますが24時間介護が必要なことから約8割の患者が、呼吸器を付けずに亡くなるといいます。
<清しお子さん>
「諦めて死んじゃったらもったいない。いつかこの病気は治る病気になると信じている」
しお子さんは病気になったことで医療的なケアを必要とする人を受け入れる施設が非常に少ないことを知り、「ないならつくろう」と自らこのグループホームを立ち上げました。
<清しお子さん>
「これが成功すれば必ず誰かがどこかで同じような施設をつくってくれる。それが私の一番の願い」
<京さんの母>
「ほら京、ちょっとずつ動くようになってきたよ。すごいすごい」
静岡県沼津市から来た、一杉京さん。気管切開をしていて、医療的ケアが必要な難病を患っています。安心して自分らしい暮らしができるよう、同じ難病患者であるしお子さんがつくった志保を選びました。
<スタッフ>
「いつも一緒だよ。みやちゃん何でも教えてくれるもんね。ありがとう。こんなにいい子いない」
オープンから4年。これまでに16人が志保を利用しました。
<スタッフ>
「ともくん、お腹いっぱいになった?」
「洗い足りないところない?かゆいところも大丈夫?」
<中澤さん>
Q. ここでの生活は慣れました?
「(入居して)3年ぐらいかな」
Q. 皆さん優しいですか?
「優しい」
2024年11月、志保を立ち上げた際に願っていた夢が、叶う日が訪れました。東京都大田区に初めてオープンしたホームホスピス。24時間スタッフが常駐し、最期まで自分らしく生きることを支える、志保と同じ志を持った施設です。
<清しお子さん>
「うれしいというか、今から泣いてちゃだめなんだけど、少しうるうるします」
施設を立ち上げた松本さんは、2年前、志保に見学に訪れていました。
<清しお子さん>
「こんなに大きくて広くて明るくてよくぞ頑張った。本当に素晴らしい」
<清しお子さん>
「一言あいさつをさせていただきます。私はグループホームを開設した際に、ここが成功すればどこかで誰かが同じような施設をつくってくれると申しました。まさにその一つがここに叶えられました。適切なケアがあれば安心して暮らしていける世の中になるよう、また、生きる希望を持てる人が増えるように切に願っております」
ALSと闘いながら患者と家族の生きる希望をつなぐしお子さん。
<清しお子さん>
「困るね、150歳まで生きたらどうする?当分の目標は、何まだ生きてた?と言われるようになれたらいいかな。すごいでしょ」
治る未来を信じて、生き続けます。
「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA
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