
「期待を超えるようなサービスができたら」多様化する交通環境の中で...『特急ふじかわ』現場の最前線から"おもてなし改革"【現場から、】

静岡と甲府を結ぶ「特急ふじかわ」は2025年、開通30年を迎えます。交通環境が多様化する中、身延線の特急に乗務する車掌を追いました。
「出勤点呼します。敬礼」
JR東海の關佑太さんは身延線の車掌です。
<JR東海身延線 關佑太車掌>
「次に2番線に参ります列車は、JR特急ふじかわ3号甲府行きです」
この日乗車するのは、「特急ふじかわ」。静岡駅と甲府駅を結ぶ列車で、1日7往復します。特急ふじかわは普通の列車とは異なり、大きな車窓から豊かな景色を楽しめる列車です。
<關車掌>
「富士から富士宮の特急券でござます」
車内では乗客の安全確認や切符の販売など乗客サービスを行っていますが、さらにオリジナルの取り組みを始めました。
「まもなく進行方向左側に富士山をご覧いただけます。身延線内で富士山を一番きれいに見ることが出来ます」
<乗客>
「いろんなスポット、『ここがよく撮れますよ』というアナウンスがあったので写真を撮りました」
特急ふじかわでは、停車駅13のうち、5つが無人駅で車掌の關さんが改札の役割も務めています。
この列車は30年前の1995年に運行をはじめました。当時、静岡ー甲府間は車で約3時間かかっていましたが、1時間早く到着できる特急として重宝されました。しかし、2021年には、身延線沿線で中部横断自動車道が全線開通し、静岡市と甲府市を結ぶ高速バスも大幅に時間が短縮するなど競合が激しくなっています。
こうした状況を打破するため乗務員たちは知恵を絞っています。
「正直放送したことある?」
「ないですね」
「型にはまってなくても自分で考えて、お客様が喜んでくれればそれでいいし」
現場で働く車掌や運転手がサービスの改善に動きだしました。
<關車掌>
「みんな富士運輸区で働いていることにプライド持ってやってるので安全もそうですけども、サービスも喜んでもらう」
<關車掌>
「ご乗車ありがとうございます。車内でノベルティカードを配っていて」
富士山と特急ふじかわが描かれた、手作りの記念カード。富士運輸区限定で配布しファンを増やす狙いです。
<乗客>
「もらってうれしいです。とても快適です。楽しいです」
<關車掌>
「やっぱり笑顔とお客様の、期待を超えるようなサービスができたらなという風にいつも目指しています。身延線を乗った方が次回もまた乗りたいなって思っていただけるように、今後もサービスをしていきたいです」
<田島記者>
課題となっているのは、現在、増えている海外の人に向けた対応です。取材した話し合いの中でも外国人向けのアナウンスや、接客マニュアルの検討をしていました。
富士山の周辺を走る列車として、世界中の人に日本のホスピタリティが伝わってほしいと感じます。
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