2026年3月24日

<高校野球>静岡でもDH制運用開始 起用法さまざま 磐田西は中学から野球始めた選手に活躍の場
俊足、強打生かす
掛川球場の第1試合は昨秋県準優勝の掛川西と磐田西の対戦となり、両者ともDHを選択した。磐田西の山口遼太監督(37)はDH制に「大賛成」と言う。
この日、DHに入り、一時同点の犠飛を放ったベルナルドアキオ選手は中学から野球を始めたため、他の選手に比べると守備力で少々遅れを取っているという。山口監督は「一番遅くまで練習して、一番朝早くから練習する子。彼がやってきたことが無駄にならないし、活躍する場ができてすごくうれしい」とベルナルド選手の俊足と強打を生かせると喜ぶ。
DHで起用された磐田西のベルナルドアキオ選手
「チームに貢献できる」
ブラジル国籍のベルナルド選手。「バッティングに一番力を入れているので、チームに貢献できるようになってうれしい。打点でチーム一を狙います」と張り切っている。小学6年間はフットサルやサッカーに取り組んでいた。進学した磐田竜洋中の軟式野球部が人数不足で「廃部の危機」だと親友から聞き、「体験入部なら」と始めてみたところ面白くなり、そのまま入部したという。
大学でも野球を
磐田西高への進学を選択したのは野球を続けるため。「監督が面白い人だよって聞いたんです。自分たちで考えさせる野球をやると。手を抜くこともできるけれど、自分たちで考えてやることで人としても強くなるし、技術も上がると思いました」と意欲的に取り組み、大学でも野球を続けたいと考えている。
磐田西のエース中村朔隆投手
投手のメリット
磐田西の左腕エース中村朔隆投手は、最速140キロに迫る直球と曲がりの鋭いスライダーが武器で、プロ3球団から視察を受けたという有望株。この日は2番手で三回から救援し、八回に守備の連携ミスで勝ち越しを許して崩れたものの掛川西打線から7回で5三振を奪った。DH制については「バッティングをしなくていいので、自分の間を一定にできる。攻撃の間に自分の準備ができるようになった」をメリットに言及する。
故障明け、負担軽減
このほかの事例でも、DH制の導入はおおむね好評だ。3月21日にあしたか球場に登場した昨春県準優勝の桐陽は、山本智也監督代行(38)が「キャッチャーが故障明けのため、バッティングに専念させたい」との意図で正捕手の栗田陽仁選手をDHに起用した。「使える選手が一人増えるのはありがたい。(エース)袴田(大駕投手)はもともと野手なのでバッティングは悪くないけれど、負担を減らす意味でもバッター専属が一人でもいると代打の準備がしやすい。袴田は(練習でも)ずっと打ってないです」と話す。
桐陽のエース袴田大駕投手
柔軟な活用法
加藤学園の米山学監督(47)も「ピッチャーはピッチャーの練習しかしていない」と明かす。
伸びのある直球で144キロをマークした加藤学園の中本大賀投手
「打つことだけが攻撃じゃないので(DHで)走力のある選手を使えるというのもいいと思います。今年は昨年の山田(晃太郎)のように1人の投手に頼るというより3、4人での分担制になる。そうすると投手をベンチに多く入れると思いますが、事情が変われば野手(の人数)を厚くするということもあるのでは」と柔軟に活用する考えだ。(編集局ニュースセンター・結城啓子)
【取材後記】
この日、好調だった磐田西のエース中村朔隆投手が先発ではなく、2番手で登板した理由を山口監督に尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。
「昨日(試合前日)の段階でキャッチャーが『先生、明日は絶対に(先発は)中村陸仁で行ったほうがいいです』と言うんですよ。それでやらせてみました」
結果的に先発の中村陸仁投手は2回3失点で納得の出来とはいかなかったのですが、山口監督は「監督が介入したせいで、彼らが考えたことが実行できなくなってしまうとどうなのかなと。彼ら自身が決めたことがうまくいかなかったという経験が、プラスに働くことの方が多いかなと思うんです。打順も選手が考えてます。違うだろう、と思うこともたくさんありますけど、それも含めて勉強じゃないですかね。ただ教えるだけでなく、彼ら自身で育むことが理想。それが令和の教育だと思います」と話していました。
静岡県の高校野球でも時代の変化に応じた指導を心がける監督が増えてきていると感じます。

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