2024年8月6日

【ケルシー・マン監督「インサイド・ヘッド2」】 「ピクサー映画の続編」というよりも
これほど期待にたがわぬ「続編」はなかなか出合えない。感情の振れ幅が大きい、不定形で予測不可能な思春期をこのように描くのは、一つの発明だ。「ピクサー映画の続編」というより、全く新しい「青春映画」として記憶される作品だろう。前作で11歳だった主人公ライリーは13歳になり、彼女の頭の中にあった五つの感情は「司令室」の拡張とともに四つの感情が加わる。これまでの主流派リーダー「ヨロコビ」と、「新しいライリー像の構築を」と息巻く「シンパイ」の概念闘争が非常にスリリング。設定は複雑だが、作劇が緻密かつウイットに富んでいて、「ふに落ちない」要素がほとんどない。「『ヨロコビ』の絶望」という矛盾に満ちた場面も、何ら違和感なく受け入れられる。脚本の力か。
クライマックスでライリーは4回深呼吸する。呼吸するごとに感情が整理されていく。この場面、涙なしではいられない。(は)
<DATA>※8月6日時点
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静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。
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