2025年6月21日
静岡新聞出版部

江戸時代の人気滑稽本「東海道中膝栗毛」が楽しい立体アートに。ばえる写真が撮れる作品展「飛び出す!東海道中膝栗毛展」を造形作家たたらなおき氏(静岡市在住)が案内!

インスタ映えスポット満載!藤枝市郷土博物館で7月21日まで開催。記事の最後に間違い探し本が当たるプレゼントも!


藤枝市郷土博物館・文学館で7月21日(月・祝)まで開催中の特別展「弥次さん喜多さんと楽しむ 飛び出す!東海道中膝栗毛展」。館内には、江戸時代の滑稽本「東海道中膝栗毛」の世界を体験できる漫画による立体アートやイラストがずらりと並んでいます。

今回は、同展示作品の作者である静岡市在住の造形作家たたらなおきさんの案内のもと、作品の見どころを解説してもらいました。

歌川広重の浮世絵がモチーフ。かわいい弥次喜多がお出迎え

館内に入るとまず目に飛び込んでくるのが、江戸「日本橋」の風景。歌川広重の浮世絵をモチーフにしたイラストを背景に、街道を行き交う商人や町人たちが出迎えてくれます。さらには「膝栗毛」の主人公・弥次さん喜多さんや、作者である十返舎一九の姿もあります。

たたら:「日本橋は東海道を含む、五街道の起点になった場所です。弥次さん喜多さんはここから伊勢神宮を目指して、東海道の旅を始めています。みなさんも旅人になったつもりで先へ進んでみてください」

駕籠に乗って大名気分

顔ハメパネルで名場面の主人公になれちゃう!

館内には江戸から京都まで、全55カ所の宿場町を描いたイラストが並びます。品川、川崎、神奈川と、順を追って見ていくと、大名行列のパネルが姿を現しました。今回の展示の目玉は、こうした「膝栗毛」の名場面を再現した立体アートの数々。来場者は作品に触ったり写真を撮ったりしながら、江戸の旅人気分を味わえます。

さらに進むと、五右衛門風呂のパネルが登場。「膝栗毛」では小田原宿に泊まった弥次喜多が、熱々の五右衛門風呂に大慌てする場面がありますが、作品ではその様子を顔ハメ風に再現。また、箱根の関所では、厳しい顔つきの役人たちが旅人の様子をチェックしています。

五右衛門風呂であっちっち~!ノリノリの作者たたらなおきさん

怪しい者ではございませんよ

ユーモアあふれる体験の数々

吉原宿では、あの有名な「左富士」の体験も。道に記された線をたどって歩くと、今まで右手に見えていた富士山が、突然、左手に見えるようになります。さらに、薩埵峠の立体パネルや丸子宿のとろろ屋など、立体作品の中に入り込める展示が続きます。

薩埵峠は広重と北斎の浮世絵のコラボ


たたら:「藤枝を越えると、次は難所の大井川です。当時の大井川は橋が架かっていなかったので、旅人たちは人足たちの力を借りて渡っていました。輦台や人足の肩に座って川越しの気分を味わってみてください」

ブルーシートを深い川に見立てた作品。輦台に乗って大井川の川越しだ〜!


さらに、御油宿では旅籠の客引き「留め女」に引き止められる体験、四日市宿では風に吹き飛ばされた笠を追いかけるシーンなど、思わず笑ってしまう展示が続きます。

「うちに泊まってよ~」「いや、先を急いでるんで!」


占い屋で運気試しができたり、寿司屋の屋台で粘土の寿司づくり体験ができたりと、さまざま角度から江戸時代の雰囲気が楽しめます。

笠さん、待ってくれ~

最後は富くじのお楽しみも

ゴールには伊勢神宮の鳥居が鎮座。さらにその先には京都・三条大橋のミニチュアもありました。江戸から京都までの珍道中もこれにて完了。会場には仮名垣魯文・歌川芳幾が手がけた「東海道中膝栗毛」の浮世絵シリーズ全58図や、十返舎一九と伝えられてきた新出の肖像画など、歴史資料50点も展示されており、庶民に愛読されてきた膝栗毛の200年以上の歴史を感じることができます。

たたら:「そもそも『膝栗毛』とは、膝を栗毛(馬)のようにして歩くことを意味しています。今回の展示では、みなさんも会場をてくてく歩いて、東海道の見どころを全身で体感してほしいですね」

ちなみに出口には「富くじ」があります。番号によって受付でプレゼントがもらえるので、引くのをお忘れなく!

京の三条大橋に到着!

本展開催を記念し「弥次喜多と行く!東海道53次まちがいさがし」をプレゼント

そして今回、同展覧会開催を記念して、たたらなおきさんの最新刊「弥次喜多と行く!東海道53次まちがいさがし」(定価990円)を抽選で3人の方にプレゼントします!希望者は静岡新聞SBSの無料アプリ「@S+」をインストールし、アプリトップ画面の「プレゼント」ボタンからご応募ください。応募締切は6月29日(日)23時59分です。

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<DATA>
「弥次さん喜多さんと楽しむ 飛び出す!東海道中膝栗毛展」

期間:6月7日(土)~7月21日(月・祝)
会場:藤枝市郷土博物館・文学館
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜(最終日の7月21日は開館)
入館料:大人400円、中学生以下・障がい者手帳等を提示した人は無料

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