2026年2月12日

<社会人野球>ヤマハ、新人野間翔一郎(近大)の加入で外野手スタメン争い激化 誰が出ても強いチームに
野間「バッティングと足、気持ちで勝負」
2月の草薙キャンプに臨んでいる野間選手の表情は明るい。「自信のあるバッティングと足、気持ち。そこで勝負していきたい」
合流から1カ月がたち、強みを再確認し、課題も明確になりつつあるようだ。

「リーグ戦だった大学に比べると一球の重み、一球に対する意識が高いと感じました。どれだけ練習で遠くに飛ばしたり、いいバッティングができても、試合で結果がでなければ使ってもらえないし信用されない。毎日の積み重ねを大切に、『こいつを使いたい』って思ってもらえるように、 バッティングと足を磨いていきたいです」

昨秋のドラフトでは指名漏れとなったが、ヤマハは長く〝ラブコール〟を送ってきた選手だ。山口県出身で大阪桐蔭高から近大に進学。静岡県には縁もゆかりもなかったが、「(ヤマハ、近大OBの)長谷川(雄一)さんが一番最初に、大学1年生のころから何度も熱心に声を掛けてくれました。僕の意向を尊重して(ドラフトの結果を)待ってくださるという話でしたし、環境も含めていいなと思いました」と明かした。
明らかに体が違う
チームに合流してまず、取り組んでいるのは体作り。「まだ全然、線も細いですし、土台であるけがをしない体づくりをしていきたいです。出力もどんどん上げていきたいので。大学生の間ではヤマハは体づくりに熱心なチームとして知られていて、社会人の(チームの)中では明らかに体が違います」
トレーナーに〝弟子入り〟
トレーナーの吉村康平さんに〝弟子入り〟し、トレーニングやケア、サプリメントの摂取の仕方などを徹底的に学んでいるという。「ここの筋肉を鍛えればここにつながるとか、何をするにも何のためにやっているのか細かく、明確に言語化してくれるので、いろいろ教えてもらっています。自分はやり過ぎてしまうタイプでもあるので、そういう時は吉村さんが『何セットまでで抑えろ』と止めてくれるんです」
もう一人、野間選手が頼りにしているのが舟久保選手だ。「めちゃめちゃ教えてくれます」と、兄貴分として慕っている。
定位置争いのライバルでありながら、メンター的な役割を買って出ている舟久保選手に真意を聞いてみた。
舟久保「誰が出ても勝つ」
「3年目まではどちらかと言うと自分のことで精いっぱいでした。(コーチの)石野(雅之)さんにも言われたんです。試合に出ているメンバーの中で自分はちょうど真ん中ぐらいの年齢。ベテランと若手の架け橋になったり、新人が困っていたら手助けするように意識してやってほしいと。ヤマハは誰が出ても勝つ、ということを目標にやっているチーム。自分の持っている技術を伝え、相手が優れているなら僕もそれを聞いて吸収したい。そういう関係の中でみんながうまくなっていけば、もっと強くなると思う」
狙いは本塁打増
舟久保選手はオフシーズンにかなり体を大きくした。「食べる量、トレーニングの量を人より多めにしました。昨夏前ぐらいから約5㌔増です」。足や小技があり、日本選手権ではチャンスメーク役として優勝に貢献した舟久保選手だが、今季は本塁打を増やしたいと考えている。「長打もあって怖いと(相手に)思わせたい」。キャンプ期間中は野球仕様の体に絞り、2月後半から始まる実戦でなじませていく計画だ。「打順はどこでも使いやすいと思うんで、こだわりなくいきます」

昨季は6月の都市対抗東海地区2次予選までは絶好調だったにもかかわらず、本大会直前に脇腹を痛めて本大会に出場できない悔しい経験もした。ただこの時、けがをしない体づくりを意識して始めたピラティスを今も継続している。
ピラティスの成果
「自分の場合、肋骨が上向きに開きがちで背中が張りやすく、首のむち打ちが多かったり、ストレートネック気味だったりして、この辺(首の後ろ)が固くなり、自律神経が整わず、睡眠の質が低かったんです。姿勢とか骨盤の位置とかって野球においてもすごく大事で、(ピラティス導入後に)スイングスピードも速くなり、力感なくボールが投げられるようになりました」と〝けがの功名〟を実感している。
西村、もがき続けた1年
西村選手は2年目の昨シーズン、もがき続けた。ルーキーイヤーでスタメンに食い込み、昨季も都市対抗東海地区2次予選の序盤まではリードオフマンとして打線をけん引。申原直樹監督に「足があって出塁率が高く長打もある。理想的な1番になりつつある」と言わしめた。けれども予選の後半、チームの負けが込み始めると、自身も調子を落としていった。
「自分の持っていたもの、感覚が全てなくなってしまって。無理やり修正しようとしていろいろ試しましたけど、うまくいかなかったですね。バッティングには大きく分けたら理論派と感覚派があると思っていて、僕は圧倒的に感覚派。この体の動きを意識すれば、こういうスイングができるというのが何個かあったんですけど、それができなくなってしまったんですよね」
トンネルの先に光
日本選手権が目前に迫っても調子は上がらず。シーズン途中で気持ちを切り替え、スイングを根本的に見直すことにした。石野コーチの助言を受けながら試行錯誤を重ね、長かったトンネルの先に、少しずつ光が見えてきたところだ。
「ざっくり言うと、打つポイントを自分の感覚的にはだいぶ手前にしました。スイング自体もちょっと前にスウェーしながら打つ打ち方だったんですけど、軸足を残して回すような感じにしました。選手権前から順序立ててやっていて、今もその途中ですね」。自身にとっては思い切ったチャレンジ。今後、実戦を重ねながら自分の感覚に落とし込んでいく。
自分との戦い
プロを目指して志望届を提出した専大4年時に指名漏れを経験し、社会人2年目のドラフトイヤーは不調に苦しんだ。「明確に、プロ野球選手になりたいっていうものがあったので、プロが無理となった時に、その先も野球を頑張れるのかなっていう思いもある」と複雑な心情を抱えながらも、「野球をやる上では越えなきゃいけない壁。ポジティブにやっていけたらいいなと思ってます」と前を向く。
定位置争いは自分との戦いでもある。
昨季、自身の不調でスタメンを外れた時も「自分のせいなので仕方がない。そこに他の選手が出ているからどうこう(悔しい)というのはなかったです」と冷静に受け止めていた。ライバルとなる野間選手についても「めちゃくちゃいい選手だと思います。とにかくバッティングがいいです。プロにあと一歩で届くような選手」と、率直に敬意を表する。

2月8日から15日までの1週間にわたって行われている草薙キャンプ。誰が出ても強いヤマハを実現するために、一人一人が自分自身の課題と向き合っている。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)
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