
東日本大震災から15年 防災訓練の形骸化を解決へ...自治体の模索続く 参加して自分自身の課題発見を【わたしの防災】

東日本大震災から、2026年3月11日で15年。静岡県内ではこの時期、各地で津波避難訓練が展開されています。
高齢化や参加率の低下など、訓練のあり方そのものが問われ始めているなか、訓練を「本当の備え」にするための模索が続いています。
「もう歳でだめだ」高齢化が阻む避難の現実
<訓練アナウンス>
「沿岸部では津波の恐れがあります。安全な場所に避難して下さい」
南海トラフ巨大地震で最大31メートルの津波が想定されている下田市では、先週末、市内全域で津波避難訓練が行われました。
<参加した住民>
「津波は怖い」
Q. いま歩いて避難して来ましたが...?
「だめだ、もう歳で」
大坂地区の訓練に参加したのは43人。参加者は年々減っていて区長は高齢化による現実を痛感しています。
<下田市大坂地区 鈴本朝喜区長>
「実際に津波が来たらね、リヤカーに乗せてここに運ぶのは無理だし、歩けない人もいますので。結構難しいですよね。津波避難訓練というのは」
「いつ起きてもおかしくない」と言われている南海トラフ巨大地震。2025年3月に内閣府が公表した新たな被害想定では、津波による静岡県内の死者は8万9千人に上るとされています。
県は毎年3月を「津波対策推進旬間」に設定し、県内全域で訓練を実施してきました。
2025年は過去最多の約14万5000人が参加しましたが、これは南海トラフ巨大地震の津波浸水想定区域の拡大による影響が大きく、実質的な参加率は「低下傾向」にあるのが現実です。
視界不良の“夜間訓練”で浮き彫りになる危険箇所
より多くの人に参加してほしい。御前崎市では、訓練の”形骸化”を解決しようと、2年前から夜間の訓練を始めました。
<大西晴季記者>
「比較的大きな道には街灯があるのですが、細い道に入るとほとんど街灯がなく、ライトを持っていないと足元が見えずらい危険な状況です」
住民は懐中電灯を手に、自宅から津波避難ビルに指定されているホテルまで歩きました。
<御前崎市 下村勝市長>
「夜間の津波避難訓練ということで、明るい時には見落としがちな危険な場所を改めて意識していただくと。こういうことを繰り返して、いざという時にどう動いたら良いのか頭に叩き込んでおくことがとても大事だと思う」
訓練の”形骸化”を解決することが若い年代の参加率向上につながると期待しています。
<御前崎市 下村市長>
「特に子どもが夜間に移動する経験がなかなか少なく限られていると思うので、そういう経験を積んでいただく必要がある」
静大客員教授「訓練で見えた課題をどう解決するか」
静岡大学防災総合センターの岩田孝仁客員教授は、自分自身の課題を見つけるために訓練に参加することが大切だと話します。
<静岡大学 岩田孝仁客員教授>
「車いすを使っている人が自力で本当に行けるのか、誰か自分をサポートしてくれる人が近所にいるのか、訓練の時に実際やってみることで何が課題かが見えてくる。訓練をやって終わりではなくて、訓練で見えてきた課題をどう解決するかっていうのが実は大きな訓練の成果なんです」
東日本大震災から15年。訓練が本当の「備え」につながるかが問われています。
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