2024年6月27日
静岡新聞教育文化部

【「佐伯喜三郎遺作展」】ビニールハウス群を抽象化

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市駿河区の静岡県立美術館県民ギャラリーで6月30日まで開催中の「佐伯喜三郎遺作展」。日展会友、静岡県美術家連盟理事だった佐伯さんの作品112点。
光、構図、彩色、筆致。1枚1枚に少なからぬ創意を込めた風景画群の圧倒的なエネルギー。久能山裾とおぼしきビニールハウスを繰り返し描いているが、相貌の変化が感動的。1983年「梅雨入り」以降、1990年代は写実性を重視。1991年「遠い日」は砂地のふかふかした手触りすら伝わる。2000年代は抽象化が進行。2001年「晩夏」は俯瞰で捉えたハウス群の横のラインを強調する。面全体で光を受け止めているようだ。(は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

県内アートさんぽ
エンタメ
おでかけ
静岡市

あなたにおすすめの記事

  • 【佐伯誠著「遠く、近く 掛井五郎のこと」】掛井五郎さんの人となり

    【佐伯誠著「遠く、近く 掛井五郎のこと」】掛井五郎さんの人となり

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
  • 【DHARMA沼津の青木一香展「声」】​「無」の宇宙、あるいは「無」の迷路

    【DHARMA沼津の青木一香展「声」】​「無」の宇宙、あるいは「無」の迷路

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
    #おでかけ
    #沼津市
  • 【Kanzan Galleryの「在るもの」展】「苦味」のような縦の線

    【Kanzan Galleryの「在るもの」展】「苦味」のような縦の線

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
    #おでかけ
  • 【フェルケール博物館の「水の絵 『幻触』と『幻触』以降の鈴木慶則」展】精緻な「鮭」を見よ

    【フェルケール博物館の「水の絵 『幻触』と『幻触』以降の鈴木慶則」展】精緻な「鮭」を見よ

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
    #おでかけ
    #静岡市
  • 【せきがはら人間村生活美術館の「柳澤紀子展 動物のことば セキガハラ」】 柳澤紀子さんの60年、岐阜で確認

    【せきがはら人間村生活美術館の「柳澤紀子展 動物のことば セキガハラ」】 柳澤紀子さんの60年、岐阜で確認

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
    #おでかけ
  • 【佐野美術館の「村上康成の世界展」】デフォルメ、簡略化の手腕

    【佐野美術館の「村上康成の世界展」】デフォルメ、簡略化の手腕

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #おでかけ
    #エンタメ
    #三島市
  • 【白日会 「静岡支部展」】明快な写実絵画

    【白日会 「静岡支部展」】明快な写実絵画

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
    #静岡市
  • 【静岡県立美術館の静岡県水彩画協会展】酒蔵に流れる時間を1枚に盛り込む

    【静岡県立美術館の静岡県水彩画協会展】酒蔵に流れる時間を1枚に盛り込む

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
    #静岡市
  • 【静岡県立美術館収蔵品展「美術館のなかの書くこと」】曽宮一念さんの執念を見た

    【静岡県立美術館収蔵品展「美術館のなかの書くこと」】曽宮一念さんの執念を見た

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
    #静岡市
  • 【「ながいいちほ展」】親密ではないが、拒絶は感じない

    【「ながいいちほ展」】親密ではないが、拒絶は感じない

    静岡新聞教育文化部

    #県内アートさんぽ
    #エンタメ
    #静岡市