2024年12月24日
論説委員しずおか文化談話室

【第9回県高校軽音楽新人大会】 最優秀賞は「1xone」(日大三島)

静岡新聞論説委員がお届けするアート&カルチャーに関するコラム。今回は12月22日に静岡市駿河区のグランシップで行われた「第9回高校軽音楽新人大会」(県高校文化連盟軽音楽専門部主催)をリポートする。(文・写真=論説委員・橋爪充)

動画審査を通過した14校の23バンドが出演した。コピー曲部門に8バンド、オリジナル曲部門に15バンドがエントリー。1バンド1曲で演奏を競った。主な入賞バンドは次の通り。

▽最優秀賞 日大三島軽音楽部「1xone」(ワンバイワン)
「紺とラスト」はエキゾチックなギターリフで幕開けするダンサブルな楽曲。メンバー2人によるラップのやり取りがステージの熱を高めた。ボーカルの寺本一咲さんの堂々とした立ち居振る舞いも相まって、ロックバンドのダイナミズムが存分に感じられた。来年大阪市で行われる「全国高校軽音フェスティバル」か福岡県で開催される「全国高校軽音楽発表会」への出場が内定した。

★内田漣さん(ギター)の話
いろいろな大会に出たのですが、惜しいところで受賞を逃し続けていました。今回の新人大会では優勝したいという強い気持ちと同時に、僕たちが高校生の軽音の世界を引っ張っていきたいという気持ちがあったので、すてきな賞をいただけてとてもうれしいです。
(ラップも入った、よく練られた楽曲でしたね)このバンドでは最初の曲からラップを入れています。他のバンドにはない色を出したくて。
(今後の活動は)全国大会では勝ち負けにこだわらず、自分たちの音楽を示したい。練習を重ねることも大事ですが、メンバー同士の絆を一層深められたらと思っています。


▼優秀賞 清水国際軽音楽部「ある∞に。」(アルハニ。)
大会初出場というが、貫禄すら感じるステージだった。「夜惑い」は起伏の激しい楽曲。レンジの広い長尾朱音さんのボーカルは、音量の大小まで完璧にコントロールされていた。舞台を広く使った演劇的な演出も光った。

★森下千都さん(ドラム)の話
個人的な話ですが、昨日の夜、お風呂で最優秀賞や優秀賞を取ることを考えていたら感極まって泣いてしまいました。それが現実になって、本当にうれしいです。夏の大会ではもっと観客を魅了するような演奏をして、最優秀を目指したい。ライブのたびに「その日が一番よくできた」というのを更新し続けたいです。


▼優秀賞 清水国際軽音楽部「不協和音」
タイトル名を入れ込んだ冒頭MCでスタートした「夢で逢えたら」は、ギターのコードストロークで引っ張るミディアムテンポの曲。動静のメリハリが付いたメロディーと、中盤の裏拍のリズムが印象に残った。

★大塚勇吹さん(ギター、ボーカル)の話
大会形式ですが、楽しんでやりたいと思っていました。楽しさを伝えるためには全員が同じ気持ちでやらなくてはいけない。そこを意識して演奏しました。メンバーはみんな、中学時代はバスケットボール部。このバンドのオリジナル曲はまだ2曲だけなので、もっと増やしてライブをしたいですね。


▼優秀賞 池新田音楽部「すしもん」
コピー曲部門から唯一の優秀賞選出。KANA-BOON「スターマーカー」をタイトなリズムと伸びやかなボーカルで再現した。

★岩田永遠さん(ボーカル、ギター)の話
高校1年からやっていたバンドからメンバーが抜けてしまって。「すしもん」は別のバンドのメンバーが掛け持ちで入ってくれて、今年10月に出来上がったバンドです。みんなで全力で楽しむことを意識して演奏しました。良い結果が出たので、いずれはオリジナル曲も作っていきたいです。


▼奨励賞 浜松聖星軽音楽部「闇ナベ」


▼奨励賞 浜松北軽音楽部「よせなべは猫と。」


▼奨励賞 聖隷クリストファー軽音楽部「Alice」


▼奨励賞 沼津中央軽音楽部「Alexandrite」


▼奨励賞 沼津中央軽音楽部「制服機動隊」


▼奨励賞 加藤学園軽音楽部「Amber」


▼奨励賞 加藤学園軽音楽部「Start Line」


▼ボビー・コードウェルの代表曲「What You Won't Do For Love」(1978年)をニュアンス豊かに演奏した富士見音楽部「FJM」

静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。

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