2025年2月10日

【アーツカウンシルしずおかの「文化芸術による地域振興プログラム」成果報告会】 29組が次々プレゼン。「運動体」としての大きなうねり

各団体15分ずつのプレゼン。団体数が多いので4カ所に分かれて同時進行で行う。参加者は自由に席を移動して構わない。全29団体の発表を聴くのは不可能な時間設定。発表終了後の講評で京都・龍安寺の石庭に例えた人がいた。庭の周囲のどこから見ても、必ず一つは陰に隠れる石がある。この日の発表の全貌を知る者は誰もいない、ということだ。

アーツカウンシルしずおかが県内各地域のアートプロジェクトの支援を始めて4年目。2024年度の顔ぶれを見ると、ずっと名を連ねる「大御所」もいれば、初めて助成対象になった「新人」もいる。本県において前例がなかった取り組みも、相応に歴史を重ねている。

今回はつまみ食いをするように、次の団体(催し)のプレゼンを聴いた。「熱海怪獣映画祭」(熱海市)、「熱海未来音楽祭」(同)、「三島満願芸術祭」(三島市)、「HELLO YOSHIWARA 2024」(富士市)、「富士の山ビエンナーレ2024」(富士市、静岡市)、「かけがわ茶エンナーレ2024」(掛川市)、NPO法人新居まちネット(湖西市)、「これすご!プロジェクト」(COCORE、静岡市)、「『クビ』か『ウチクビ』か」(HAHAHANO.LABO、静岡市)、「第3回三保海浜マラソン」(静岡市)、「オペレッタ会議」(伊久美茶話クラブNEO、島田市)。

プレゼンの途中から聴いたせいもあり、いったいどんな取り組みだったのか、いま一つ理解できないものもあった。「これは果たして『アート』なのか?」と首をひねってしまうものもあった。ただ、全体として大きなエネルギーを感じたのも事実だ。アーツカウンシルしずおかの面々は、「アート」の領域を拡張しようしているのだろう。問われるべきはこちらの了見の狭さだ。

29組がプレゼンする時間そのものに、「運動体」としての大きなうねりを感じた。全国のアーツカウンシルに詳しい同志社大経済学部の太下義之教授(芸術学)は講評で「こんなにすごい活動を行っているのは日本中でここしかない」と話した。5年目の2025年度は、どんな活動に出会えるのか。
(は)
静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。
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