
「経費の高騰で限界が…」財政ひっ迫で犯罪被害者支援センターがピンチ 相談件数は去年の5倍も「手弁当」で何とか運営
事件や事故に巻き込まれた被害者や遺族に寄り添う「犯罪被害者支援センター」の運営がピンチに陥っています。センターを支える財政がひっ迫していて、このままでは持続的な支援が難しくなる恐れが浮上しています。
静岡市葵区に事務所を置く認定NPO法人静岡犯罪被害者支援センターで、4月25日に行われたスタッフの委嘱式。2025年度は支援活動員が29人、支援ボランティアが10人登録されました。
静岡犯罪被害者支援センターは、犯罪に巻き込まれた被害者や関係者に対し、心身的負担の回復・軽減を図る団体です。カウンセリングや弁護士による法律相談のほか、通院や裁判の付き添い、さまざまな手続きのサポートなど、スタッフの活動は多岐に渡りますが、苦しいのは、その「懐事情」です。
賛同する個人や団体からの寄付や会費に支えられている犯罪被害者支援センターは、収入が一気に増えることは難しいのが実情です。

一方で、刑法の改正などを背景に性的被害の申し出が増え、2024年の相談件数は5年前の倍近くに増えました。
<静岡犯罪被害者支援センター 三森美津広事務局長>
「寄付等の予算は決まっているので、その中でやらなきゃいけない支援があるが、経費の高騰があるので限界がある」
支援員に対して、交通費などは支払われますが、日当は半日で1000円。それでも、犯罪被害者を前に「支援ができない」とは言えないため、スタッフは「手弁当」の状態で活動に臨んでいるのです。
<静岡犯罪被害者支援センター 白井孝一理事長>
「この支援センターが県民の方々の役に立っていると思ってくれるのなら、支援センターの財政基盤の確立のための援助をぜひ考えていただきたい」
<社会部 寺坂元貴記者>
「センターは存在感を増していますが、財政的負担も増しています。この状況を打破するには寄付だけでなく行政などのサポートも検討の余地がありそうです」
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