
JR東海社長「大きな節目迎えた」リニア工事 静岡県の水資源議論完了で見解 薬液注入は「岐阜と静岡で性質が違う」

JR東海の丹羽社長は6月11日、リニア新幹線のトンネル工事をめぐり、静岡県の専門部会で水資源に関する議論が完了したことを受け、「大きな節目を迎えることができた」と見解を述べました。
<JR東海 丹羽俊介社長>
「大変多くの方々のご協力を得まして、一つの大きな節目を迎えることができたと考えております」
リニア新幹線の工事をめぐる静岡県とJR東海の対話をめぐっては、6月2日に開かれた県の専門部会で水資源に関する対話項目がすべて完了し、10年以上続いた水の議論が一区切りとなりました。
丹羽社長は11日の会見で、「大きな節目迎えた」としたうえで、「専門部会で示した対策やモニタリング計画を確実に実施していきたい」と話しました。県とJR東海は引き続き、生態系への影響や発生土について県の専門部会で議論を続ける予定です。
一方、岐阜県瑞浪市のトンネル工事の現場付近では、井戸などの水位低下や地盤沈下が確認されていて、JR東海は低下の原因である湧水対策として薬液注入をする措置を検討していましたが、6月になり、将来的に安全上のリスクが想定されるとして薬液注入を断念したと明らかにしました。
静岡工区においても薬液注入が対策に含まれている中、丹羽社長は記者の質問に対し、「薬液注入にも色々種類がある。岐阜県と静岡県では性質が違うものになる。今回の岐阜県の件とは切り離して考えていただくのがいい」と述べました。
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