
著名人のために作った「牛タン料理」が看板メニュー 夫婦で営む「ますかっと家」(静岡市清水区)【昭和100年愛されごはん】

2025年は昭和元年から数えて100年目。愛され続ける名店の味を紹介します。今回は静岡市にあるレストラン。看板メニューの牛タン料理は著名人のために作ったといわれる一皿です。
静岡市清水区。静岡鉄道・新清水駅から徒歩3分。洋食がおいしいと評判の「ますかっと家」です。創業は昭和53年。地元の中学校で同級生だった夫婦が営んでいます。
<ますかっと家 小原美和子さん>
「若いときから、絶対喫茶店やりたいなと思っていたからね」
<ますかっと家 小原俊さん>
「ちょうど息が合って、それじゃあやるかって」
小原俊さんと美和子さんが結婚したのは45年前。2人が30歳の時でした。ますかっと家の自慢のメニューは「牛タンみのべ漬け」です。4時間ボイルした牛タンをニンニクをきかせた醤油ベースのタレで約3日漬け込んでいます。
<小原俊さん>
「色がしょっぱそうでも、割とさっぱりしておいしいです。これはやめられないですね、一生」
牛タンみのべ漬け。その誕生は約50年前にさかのぼります。俊さんの料理の師匠が東京のレストランに勤めていた頃、当時の都知事、美濃部亮吉さんがやってきて。
<小原俊さん>
「(美濃部さんが)シェフに『何か変わったもの作ってくれや』って言ったので、次に来た時に牛タンを出したら、これはうまいと言ってくれて、都知事が来るとそれをいつも出す」
<客>
「おいしい」
<30年前から食べている人>
「柔らかくてすぐ噛み切れちゃう」
俊さんが創業時から作り続けているのがホワイトソース。
<小原俊さん>
「インスタントと違って一から作ると玉ねぎの甘みが出る。だから全然違う。本格的にちゃんと作れば、おいしいのはみなさん分かってくれるんでそれがうれしい」
特製のホワイトソースをふんだんに使ったグラタンです。ホワイトソースはハンバーグやパスタなどでも味わうことができます。俊さんにはずっと大切にしているものがあります。
<小原俊さん>
「オープンするときに東京のかっぱ橋道具街いって、全部そろえた。丈夫だもんで。長持ち。開店時からよく働いてくれた」
いつも笑顔の絶えない「ますかっと家」。2人はあと5年、80歳まで頑張ろうと決めています。
<小原俊さん>
「自分たちが好きだから、この年になってもやっていける」
<小原美和子さん>
「うちのお食事を愛してくださるお客様はいっぱいいますから。体と相談だね。マイペースでやってく」
「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA