2023年11月14日

【しゅんしゅんさんの「椿ノ恋文画集」】物語が鮮明によみがえる

鎌倉の「ツバキ文具店」と、持ち込まれる手紙の代書依頼を巡るあれこれ。日常のちょっとしたさざ波を優しく描写するこの連載には、朝からずいぶん泣かされた。画集は200点の挿画が掲載順に並ぶ。物語が鮮明によみがえる。しゅんしゅんさんは(たぶん)定規を使わない。直線は波打ち、森林風景は点描のようだ。ただ、人の手を使って描かれたことがはっきり分かる。それは、送り手に替わって手紙を書く「代書屋」の手の温もりに通じる。(は)
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