2026年1月29日
SBSテレビ LIVEしずおか

静岡2区 竜巻被害の現場が問われる“支援の壁” 一騎打ちの両候補はどう挑む【衆議院選挙2026】

「LIVEしずおか」の選挙区別争点深掘り企画。今回は、中道と自民党の候補による一騎打ちとなった静岡2区です。

争点のテーマは「災害対策」。被災者への向き合い方を考えます。

竜巻被害から5か月…「大規模半壊」の壁

「汚れているけどそのまま上がって」
Q. 土足のまま大丈夫?
「いいよいいよ、土足のまま上がって」

静岡県牧之原市細江地区に住む菅野尚和さんの自宅は、2025年9月、国内最大級の竜巻によって屋根を吹き飛ばされました。

<菅野尚和さん>
「ちょうどこれ。今見えますよね。こっちの新しいベニヤが張ってあるところが全部なくなっていた」

2025年9月、台風の接近に伴い発生した竜巻で、牧之原市では住宅など1300棟以上に被害が及びました。

あれから5か月、菅野さんの自宅ではようやく復旧工事が始まりましたが、悩みは尽きないと話します。

<菅野さん>
「一番困るのはお金の問題だけ。どうやって都合つけるか、足りない分はなんとか...」

建物被害は局所的になりがち 損害割合が低く判定...

悩みの種となっているのは、国の支援を受けるための「被害認定調査」です。この調査では建物ごとに「全壊」や「半壊」など6段階で評価され、その判定で支援額が決まります。

竜巻の場合、建物被害は局所的になりがちで、損害割合が低く判定されることが増えます。屋根を飛ばされた菅野さんの自宅の判定は「大規模半壊」でした。

<菅野さん>
「寝るところがあれば、そこで寝られるんじゃないかということで、(判定が)下がっちゃう」

行政も苦悩「調査の簡略化が必要」

調査にあたった市の担当は、現行の制度について別の課題を指摘します。

<牧之原市役所 税務課 西原直樹 主幹>
「被害認定調査で(建物の)中に入る調査ですと、やはり時間がかかってしまう。(評価の)計算方法も複雑化しています。早急に被災者支援、被害認定するには、簡略化された被害認定の方法が必要だと感じています」

候補者の主張:被災者にどう寄り添うか

被災者の生活再建に欠かせない国の支援制度。候補者は、制度のあり方についてどう考えているのでしょうか。

<中道改革連合・前職 鈴木岳幸候補>
「(被災者の)負担ばかりが大きくなってしまうと、そこでもう諦めてしまう。事業者さんは事業を辞めてしまう、普通の民家の方だったら、建て替えずに借家暮らしでいいやと思ってしまう。希望があれば続けられますから、その点を保てるような制度を作っていくべきだと考えます」 

<自民党・前職 井林辰憲候補>
「自然災害は予期せぬ災害であり、被災者の方に何の罪もありません。ですから、被災があってもなくても、生活が元通りに再建できる、そういう制度を作っていくべきだと思っています」 

取材記者の視点:95件が「再調査」の現実

被災者にとって命綱ともいえる支援制度ですが、制度を利用する側、運用する側のそれぞれで課題があります。

静岡2区を取材する坂口記者によると、地元を取材する中で被災した方からは「被害状況と調査の判定・支援内容の実態があっていない」との声を多く聞いたといいます。

今回、調査を申請した1340件のうち95件が再調査となっていて、被災者にとっても調べる行政側にとってもより納得感のある制度に見直していく必要があります。

改めて候補者の主張を見ると、中道・鈴木候補は「被災者が未来に希望が持てるかが重要。地元の声をしっかり聞いて国に届けていきたい」と訴え、自民・井林候補は「新設される防災庁の発足までに、しっかり答えが出るように検討していきたい」と訴えています。

【静岡2区】中道改革連合・鈴木岳幸候補
【静岡2区】自民党・井林辰憲候補

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