2026年2月4日

【Toshiki Soejima&Nahokimamaの新作アルバム「Kimama Beats」】「世界基準」のビートの上で、ギターとトランペットが躍る
(文/論説委員・橋爪充)

2021年のEP「Life」で本格的に音楽活動をスタートさせたソエジマさんは、2018年から配信を続けるYouTubeチャンネルの登録者が41万人を超える。7,8割は海外在住者という。「静岡発、世界へ」を体現する、ワールドワイドなミュージシャンと言えるだろう。
2024年からNahoさんとのダブルネームでリリースを続けている。「Kimama Beats」は2025年1月の「Scene」に続くアルバムである。
フランス、ドイツ、韓国のミュージシャンやプロデューサーを迎えて制作した。全10曲のうち、7曲のトラックをNahoさんが手がけた。ゆったりとしたビートの上で、1音1音に意思が感じられるソエジマさんのギターと、Nahoさんのたゆたうようなトランペットの音が躍る。
密室感と開放感が共存する、二律背反的な音楽だ。聴く者の隣で弾いているような親密さを醸し出すギターの向こう側に、心地よいグルーヴを醸し出すリズム隊がいて、ちょっと遠い場所からトランペットの音が鳴っている感覚。天井の高い教会が思い浮かんだ。説教台のトイメンにある扉が開いていて、管楽器の音はその外から聞こえてくるような。
ふわりとしたシンセに幽玄なトランペットと、エッジーなギターがかぶさる「Unlearn」。ギターフレーズのループが全体のリズムを決定づけ、少し懐かしい感触のエレピの和音が重なる「Ash」。ノスタルジックなギターのメロディーが先導し、モコモコッとしたキックの音が下支えする「Kyoto」。どれも鮮烈な色がある。各曲は意識的に2~3分台にとどめているが、それぞれに心地よい揺らぎがあり、「もっと聴いていたい」と思わせる。
2月23日、静岡市駿河区のグランシップで行われる「静岡JAM2026」に出演が決まっている。「J・ディラのビートを生音で演奏する」をコンセプトに掲げて結成したWONKとの対バンに胸躍る。ソエジマさんは、2026年1月のブルーノート東京でのワンマンライブを成功させたばかり。そのメンバーでWONKを迎え撃つことになる。「心地よいグルーヴ」対決の軍配はどちらに。もちろん「両方」であってもいいのだが。
<DATA>
■静岡JAM2026 ~WONK/ソエジマトシキ~
会場:グランシップ中ホール・大地(静岡市駿河区東静岡2-3-1)
日時:2月23日(月・祝)午後4時ロビー開場、午後5時開演
入場料:全席指定一般4000円、子ども・学生1000円(28歳以下の学生)※未就学児入場不可
問い合わせ:グランシップチケットセンター(054-289-9000)
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