2024年1月19日

【「文芸富士」創刊号】 現代の諸相、真摯に取り込む

富士市民を中心にした同人20人による「竹の会」による、小説、随筆、詩。レトロモダンな題字と表紙デザインから、新誌の方向性や美意識が強く伝わる。短篇小説9編は技巧の巧拙より「言葉と格闘する意欲」が強く印象付けられる。フードデリバリーに従事する男性、複数の国にルーツがある少女、King Gnuのライブなど、現代の諸相を真摯に取り込んでいる点も感心する。随筆は望月由美子さん「灰色の空」。ホラー味たっぷりのラストに背筋が凍る。(は)
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