2024年4月8日

【nohoさんの「となりの妖怪さん」】互助の精神、思いやり

遠州地方を想起させる山間の町を舞台に、人間と妖怪が極めて自然に共存する世界を描く。カラス天狗のジロー、尾が分かれた「猫又」のぶちおら、「異形」の者たちが学校や地域社会で人間たちと何の違和もなく生活している。見目形に隔てがない互助の精神、思いやりが全編を覆い、読んでいてとても心地良い。べとべとさんやダイダラボッチといった本県ゆかりの妖怪が登場し、又一庵(磐田市)のきんつばなど本県の名物や風習も頻出。(は)
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