2024年9月9日

【ふじ・紙のアートミュージアムの「青木一香展」】 鎖状に連なる「無」の字、球体

ガラスケースのような部屋に入ると「無」の字を書き連ねた紙、その紙でつくった球体によるインスタレーションの中に、見る側が「放り込まれる」。点在する球体。太陽系、宇宙の模式図か? と一瞬の解釈。だが、違う。
もっと親密な気配が漂っていることに、じわじわと気づかされる。それぞれの球体が、意志を持ってお互いの距離を測っている。そこには何らかの「事情」や「節度」が介在している。しているように見える。
それは「命」とは何か別のものだ。そうしたものどもの間に、あたかもアナログな感情が漂っているかのように見せている。これこそがアーティストの力だろう。(は)

<DATA>
■ふじ・紙のアートミュージアム
住所:富士市蓼原町1750 富士市文化会館ロゼシアター1階
開館:午前10時~午後6時(9日休館)
会期:9月16日まで
静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。
エンタメ
おでかけ
沼津市
富士市
あなたにおすすめの記事
【ふじのくに地球環境史ミュージアムの企画展「全地球史」 】 企画展として過去最大のスケール。46億年前から80億年後まで。地球の過去現在未来
#おでかけ#エンタメ#伊豆#浜松市#静岡市#掛川市#伊豆市【3776「The Birth and Death of the Universe through Mount Fuji」】 ふじのくに地球環境史ミュージアムの企画展「全地球史」と響き合う
#エンタメ、暮らし#静岡市#富士宮市#富士市【ふじのくに地球環境史ミュージアムの企画展「標本サファリ-大地の動物・水の動物-」 】 哺乳類の標本が勢ぞろい。日本平動物園の人気者だった象のシャンティの「あの部分」に出合った/静岡市
#おでかけ#エンタメ#静岡市#静岡市駿河区【ツインギャラリー蔵の「明日と泳ぐ 乾久子『ことばのまわり10年目を歩く』刊行記念展」】 新聞紙を活用したアート。「記憶がものになっている」
#おでかけ#エンタメ#本・書店#浜松市